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蕎麦打ち日記1999年11月分
多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている、
蕎麦打ち日記であります。
忙しさにかまけて、手抜き工事ですが、ご了承くださいな。
新しい蕎麦屋さん情報もあります。旧月・昨年の分もお目通しくださいませ。
ここに登場する蕎麦屋さんの索引を作ってみました。urlは、
http://www.kaji.org/soba/diary/sobalist.html
です。日記に掲載してあるお店60数点を全部入れました。県別、地域別にひけます。
それ以前に訪ねたお店が紹介されていませんから、韮崎の「瓢亭」や
都内の気に入ったお店などが入っていません。機会を見て再度訪ねるようにしましょう。
●1999年11月27日/秋田産の新蕎麦粉を打つ
●秋田産の蕎麦粉で生粉せいろを打つ
秋田の住む友人が秋田さんの蕎麦粉を送ってくれた。石
臼挽きの粉と細挽きの2種類である。さっそく、細挽き
の蕎麦粉で生粉蕎麦を打ってみた。ある契約栽培をして
いる店の蕎麦粉を分けていただいたものであるが、秋田
の蕎麦粉というのはこれまで余り聞いたことがないので、
楽しみであったが、これがなかなかの蕎麦粉であった。
一人分を打っても面白くないので300g、大人で3人前ほ
どの量を打ってみた。その様子は、上の写真の通りであ
る。結果は、今年は畑が乾燥していたのか、粉が少し乾
燥しているようだ。生粉で打ってみたが、打ちながら様
子を見て水の量を調整していったが、結果としては少し
水を多めに入れることになった。量は10%ほども、多め
に入れたろうか? できあがった蕎麦は、新蕎麦らしい
香りもあり、蕎麦の新鮮さが感じられて、悪くない。
乾燥がある年の蕎麦粉は余り良くない……と聞いている
が、残念ながら例年の秋田の蕎麦粉を知らないので、な
んとも判断しようがないが、これはこれで立派な蕎麦粉
である。秋田産の蕎麦粉……初体験であったが、今後は
蕎麦の産地として秋田を頭にインプットしなければなら
ないようだ。これだけの粉があるということは、蕎麦屋
さんもあるはず。次回秋田に出かけた時には要チェック
である。石臼挽きの粉が楽しみだ。
●1999年11月26日/船橋・「圓居」(まどい)のそば
●まどいの生粉打ちせいろと二八のかけそば
早めの忘年会で船橋の圓居さんにおじゃました。この日
は新蕎麦粉が届いているので、セイロを食べようという
わけであるが、このお店が嬉しいのは、山梨の蕎麦屋さ
んでは定番になっている「鶏のモツ煮」と、大阪名物の
土手焼きが食べられる事である。御主人が出かけておい
しかったものを集めたということで、こうした物が首都
圏で食べられるというのは嬉しい。この日は、これに、
あさりのかき揚げ、芝蝦のかき揚げがあり、酒の肴とし
ては申し分ない。これに蕎麦焼酎を蕎麦湯で割っていた
だいた。そして、最後に、新蕎麦の生粉打ちせいろと二
八のかけそばで占める……という申し分のないコースで、
普段余りそばに興味のないメンバーも、さすがにしっか
りとうたれた生粉打ちせいろのコシと香りに満足した様
子。その後で、さらに蕎麦の香りが充満する二八のかけ
そばを頂いて、これまで気がつかなかった蕎麦のうまさ
に始めて気づいた様だった。酒好き、蕎麦好きには申し
分のないお店である。
船橋市本町7-5-2 船橋駅北口のイトーヨーカ堂並び
047-422-8883 月曜休み 11:30−14:30 17:30−21:15
●1999年11月22日/品川・吉田家のそば
●セイロそば、カケそばと食べやすいように切ってある海老天
大森に住む友人に誘われて東大井になる吉田家というそ
ば屋さんにでかけた。都内で長く営業している蕎麦屋さ
手打ちにしているようなお店は、ほとんどが行った事が
なくても雑誌で見たり話しを聞いたりして、名前くらい
知っているか、せめて資料は持っている……と思ってい
た。そんな小生でも吉田家さんというなまえは聞いたこ
とがない。蕎麦好きな友人でもあり、期待していったの
だが、これが何と大当たりである。お店は、京浜急行の
立会川の近く、旧東海道に沿ったところにある。静かな
住宅街の中であるが、お店でもらった由緒書きをみると、
創業年代は明確ではないが山岡鉄舟を始めとした維新で
活躍した面々にも贔屓にしてもらったとのことだから、
かなりの古さになる。
店づくりもなかなかの趣のあるもので、きちんと和風に
整備された内庭に面して座敷が有り、こちらの雰囲気も
江戸情緒を感じさせるようになっている。
さて、メニュであるが、せいろ蕎麦とカケそばをいただ
いた。共に 700円である。先にセイロを貰い、後でかけ
を……とお願いして、出てきたセイロがなかなかである。
しっかりと打たれた蕎麦で、コシもあり香りも十分に感
じられる。新蕎麦粉を使っているかもしれない。昼食の
忙しい時間でお店に人に話しを聞く時間がなかったが、
おそらく二八であろう。香りの少ない蕎麦が多い現在、
これだけ香りを感じさせる蕎麦は貴重である。そして、
カケそば。こちらは、セイロに反してあまり香りの強さ
を感じない。これは、言い換えれば、暖かい汁に浸して
蕎麦が崩れないという事であろう。してみると、七三く
らいで打っているのであろうか?とはいえ、カケそばで
ある。それなりの香りがあって、これはこれで十分に楽
しめる。もしかすると、セイロ用とカケ用に別の蕎麦を
使っているとか、あるいはカケそばの茹で時間を極端に
短くして蕎麦がダレるのを防いでいるか……、何らかの
工夫があるかもしれないが、いずれにせよこの努力はた
いした物である。
汁はカツブシと鯖節であろう。厚手のしっかりした鯖節
から出しを取った事が感じられるような濃厚な味である。
友人は天ざるを食べたが、食べやすいように、海老天に
一口大に包丁が入れられている(上写真)。確かに大き
なエビを使っているだけにその方が食べやすい。うーん、
とうなりたくなるような工夫というか、気配りである。
このお店、意外と紹介されていない。なぜかふしぎなく
らいである。しっかりした老舗……と言っていいだろう。
ぜひ、一度ご賞味あれ。庭園付き離れ(40名)もある。
東京都品川区東大井2-15-13 03-3763-5903
営業時間11:00〜20:30、火曜日休み
●1999年11月18日/山口・東京庵のそば
所用があって山口に出かけた。山口県内は徳山、岩国、
宇部、小郡……と出かける用事はあったが、山口市内に
行くのは学生時代に萩・津和野から下関に出る途中で下
車した程度で、ほとんど記憶がない。県庁所在地でここ
何年か寄っていない……という点ではもっとも縁の遠い
町になっているやも知れぬ。数えてみると、実に35年ぶ
りである。懐かしいというよりも、始めてという印象が
強いのは仕方がない。
ここで、案内された店が「東京庵」の香山店。国宝の五
重塔がある瑠璃光寺の前にある。創業は大正13年という
老舗で、なんでも先代が、神田にあった東京庵という流
派の蕎麦屋で働いていた山口県出身の蕎麦職人を連れ帰
って開店した店とか。東京庵という店は手打ちの独自の
流派を継いでいた店で、現在、東京にはなく、東京庵の
手打ち蕎麦を継ぐのはこの店だけという。
ここの蕎麦を食べた山口県の故橋本知事が、”長州そば”
と名づけたとのことから、以来同店では長州蕎麦と銘打
っている。店はこの他に湯田温泉にある。そばは、珍し
い釜揚げ蕎麦を試してみたが、これが蕎麦の香り満点、
しかも釜揚げで出されてきたのに、まだコシが感じられ
るという状態で、せいろ蕎麦であればさぞかしっかりし
たコシがあるだろうと想像される逸品である。残念なが
カメラを持たずに出かけたために、写真はないが、この
そばは、田間口に出かける機会があったらぜひお勧めし
たい。見たところ甘皮も一緒に挽いた蕎麦粉で、いわゆ
る薮系の店が使う蕎麦粉である。
●1999年11月18日/山口・徳地・花ひとつのそば
翌日、徳地の重源の郷を見物し、中の”花ひとつ”なる
お店で蕎麦を食べたが、蕎麦そのものはたいしたことは

●花ひとつの3色蕎麦と山口の西端・響灘
ないが、上の写真にある暖かい3色そばで、茶蕎麦(右)、
二八蕎麦(手前)、紫蘇打ち蕎麦(左)という組み合わせで、
紫蘇そばははじめてあったが、独特の酸味と香りがなか
であった。暖かい湯につけられていて、これを暖かいつ
け汁につけて食べるというものである。香り、コシとも
に特に勧めるほどではないが、珍しい蕎麦であった。
ついでに、私のなかで、山口県の中でもまったく地図が消
えている響灘に面した西端の海岸線を見たい……とお願い
して連れていっていただいた。右の写真がそれである。ま
あ、本州の最西端ということで、日本一の夕日が見られる
との事でしたが、帰京の飛行機の都合でその時間までいら
れなかったのは残念でした。しかし、ここもなかなかの景
色で、改めて山口県を見直した次第であります。
東京庵
本店 山口県山口市湯田温泉4-2-31 083-922-1561 木曜休み
香山店 山口市香山町 083-920-7575 月曜休み
●1999年11月13日/浜松・佐鳴庵のそば
●佐鳴庵のセイロそば
学生時代の同級生たちと浜松に出かけたついでに、帰り
に蕎麦屋にでも寄ろうということになって浜松で下車し
て探し、見つけたのが佐鳴庵なる蕎麦屋さん。浜松駅か
車で、1400円ほどとちょっとあるが、まあまあのそばが
味わえた。店主の話しでは、二八蕎麦とのこと。土曜日
のことで、めずらしく混雑していたということなのだろ
う、12時頃に入り、ゆっくりと酒を楽しんで、ごご2時
前に出た時には、「蕎麦は売りきれました」と表示して
いたほどだから、予想外の客が入ったのだろう。
蕎麦は、ちょっと白っぽいもので、蕎麦の香りはまあま
あだが、茹で時間が長すぎるのか、コシが少しだれてい
た。もともとないわけではないようなので、混雑で茹で
時間を合わせそこなったということのようだ。天ぷらは
しっかり揚げてあり、これはなかなかであった。
佐鳴庵手打ちそばうどん
浜松市佐鳴台2-10-17
TEL 053-448-7588
●1999年11月05日/京都・烏丸丸太町の竹邑庵太郎敦盛のそば
●竹邑庵太郎敦盛(ちくゆうあんたろうのあつもり)で
「あつもりそば」を味わう尾崎さん
先日、忙中にやっと閑を作って京都を歩いてきました。
京都駅に着くなり、地下鉄に乗って烏丸丸太町駅に
降ります。この通りの御所脇の路地にあるのが
「ちくゆうあんたろうのあつもり」そばやです。
ここで、昼っから燗酒一合に一斤半のあつもりそばを
食える幸せ感と、生きて健康でいられる有り難さが
こみあげてくる。そういう味のそばですね。
四角い桶の底にあっついそば湯を張って、その上に
せいろう(蒸籠)の蒸しそばを乗せてあります。
桶のふたを開けると、ワッと湯煙が上ります。
酒の突け出しは程良い濃さの梅干しが一個だけ。
これ以上の解説は不要ですね。写真をご覧ください。
・・・・・・・・・・・・・・(尾崎 律夫さん)
竹邑庵太郎敦盛
京都市上京区すめらぎ町通烏丸西入養安町242-12
tel 075-256-2665 営業11:00〜15:00 日祝休
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