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蕎麦打ち日記1998年8月分

多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている、蕎麦打ち日記であります。


4月から始めた日記というのに、6、7月分は、合併号にするは、
韓国料理の紹介をするは……手抜き、日和りがあからさまでした。
深く反省しております。
その反省に立って、せめて、8月は、まじめに蕎麦の食べ歩きと
蕎麦うちに努める所存であります。どうぞ、お見捨てなく。


●1998年8月27日 /日本橋室町「紅葉川」へ行くの巻


日本橋に出かける用事があり、済んだところで昼の時間になった。
相変わらず暑いので、蕎麦屋でもと探したら、日本橋のたもとにあ
るあさひ銀行を曲がった先に「おそば」とかいた看板がある。近づ
いてみると、「石臼挽きそば」と書かれているので、さっそく入る。
新しい店のようだが、店外の構えも店内の造りもなかなかの店構え
だ。ちょうど昼時で混んでいたが、メニュを見るともり蕎麦600円
ざる700円、大もり780円、大ざる880円と値段も安い。石臼挽きで
この値段は良心的な店と言えるのではないか。日本橋で、この値段
でやって行かれるのはたいしたもの。
店内に入ると、入り口のすぐ左手に、ガラス越しに電動の石臼が動
いているのが見える。一回り小型の臼で、これで、蕎麦の実を実際
に挽いているのかどうかは確認していない。

大ざるは右の写真。石臼挽き……というからには、せめて、二八蕎
麦くらいで出して欲しいと思うが、値段から考えると、それは欲張
りというものかもしれない。町の蕎麦屋さんとは比較にならないが
石臼挽きと聞いて期待する立場から言えば、少し残念だ。悪くはな
いが、コシ、蕎麦の香り……ともに、ちょっと期待外れだった。


もり蕎麦1杯 600円という安さを評価すれば、価格パフォーマンス
は高い。この蕎麦は、冷たい蕎麦よりも、暖かい蕎麦の方がおいし
いかもしれない。こうしたお店は、むしろ、知恵をひねって独自の
工夫で変わり蕎麦をたくさん編み出し、並べた方が注目度が高くな
り商売としてはうまくいくのではないかと思う。


●1998年8月14日 /通販の蕎麦打ちセットで蕎麦を打ち,並木薮へ行くの巻


(通販で購入したそば打ちセットで打つ)

13−14日と久しぶりで家内の実家に出かける。毎年、一家が集まっ
て大人数で庭で BBQをやるのが恒例だが、小生は同居している母や
子供の都合があったりでなかなか出かけられず、3年ぶりの訪問と
なった。例によって、おお盛り上がりでタン塩、カルビ、イカ焼き、
焼きソバ、椎茸、舞いタケ、トウモロコシ、マグロ刺身の豪華食べ
放題料理で、冷やしてあったビール20本をやっつけ、山梨・石和に
いる甥一家が持ってきた1升ビンワインを開け・・・・という具合で、
さんざんやってきました。完熟トウモロコシのもぎたて、茹でたて
があんなに甘いとは知りませんでした。これは家内の父の作ですが、
びっくりしました。御馳走さまでした。

翌日、実家の庭隣に住んでいる家内の弟がそばうちを始めた……と
いう。打ってみないかというので、持っていた地粉500gほどを使い
蕎麦を打つ。道具は、通販で販売しているビデオ付きの「蕎麦うち
セット」で、蕎麦打ち台、包丁、麺棒、こね鉢、切り板がついたも
の。こね鉢、打ち台がすこし小さく、500g(約3人用)の蕎麦を打つの
が精一杯だが、使い勝手は悪くない。蕎麦粉は地元でとれた粉との
ことで粗く挽いた挽ぐるみで田舎蕎麦用にいい粉。つなぎの小麦粉
は薄力粉と強力粉を半々にして、二八蕎麦にする。出来上がりは腰
の強い固めの田舎蕎麦になった。

帰りに、浅草を通るので並木薮で、もり蕎麦を2枚やる(1枚650円)。
ここの蕎麦も量が少なくて、2枚はオヤツ。腹いっぱいに食べるに

は、4、5枚はいる。20年ほど前、1枚330円の頃は3枚食べていたが、
それでも少なかった。まあ、混み合っているときでなければ、ビール
1本、酒2本くらいを板ワサと天ぷらでやって、それからもり2枚・・
・・というくらいがちょうどいいペースなのだろう。出されたときに
何時も感じるのは、あのザルを逆にしてくれるとなあ、ということ。
辛めのツユが久しぶりで懐かしい。残念だったのは、蕎麦の香りが
もう一つだった。どうも、自分で打つ蕎麦は、二八蕎麦でも香りが
非常に強いので、その蕎麦と比較してしまうから、どこの蕎麦を食
べても、どうしても香りは物足りない思いがする。自分でつくる蕎
麦は、打ち立て、茹でたてだから、これは勝負にならないかもしれ
ない。香りの強い蕎麦粉が必ずしも打ちやすい蕎麦粉というわけで
もないだろうから、何時も均一の質の蕎麦を提供することが義務づ
けられている蕎麦屋さんとしては、苦しい注文かも知れんなあ。並
木藪のそばも、もう少し香りが欲しい気がした。
それと、薬味としてのきざみネギをもっと愛して欲しいなあ。きれ
いに細かく刻んでやって、蕎麦を引き立て、頃合いの味になるよう
にしてやるのが薬味に対する礼儀ってもんです。それでネギも気持
ち良く控え目でいられる。ネギに主張させるのは役不足、大向こう
から、ブーイングをもらうのが関の山です。大きさが不統一で、厚
めのがあったり、小さいのがあったり、乾燥していたり、というの
は御法度。とくに大まかにきざんだネギを出されるのは、ネギが主
役にしゃしゃり出てきたようで困ってしまいます。
結構、ヤラシィおじさんになってるな。


●1998年8月10日 /早仕舞いする蕎麦屋さんにフラれるの巻


9日の午前中に、溜まっていた仕事を片づけて、開田高原に蕎麦を
食いに出かけようと思ったけれど、道路情報では延々渋滞……との
ことで、常磐道を行くことに。茨城県の鉾田市にある「村屋東亭」
をめざして、出発。紹介本には17:30まで営業と書いてあるので、
まあ、大丈夫と思いでかける。土浦北を出たのが 16:30。念のため
と電話を入れてみたら、16:00で閉めました……とのこと。しかたが
ないので、霞ケ浦のブラックバス釣りを見物した。お嬢さんがうま
い具合にちょうど40センチくらいの奴を釣り上げていた。大きいね
えと言うと、このサイズでは小さい方だと言う。

蕎麦がなくなったらそこで閉店という蕎麦店は最近増えてきて、
先日の小淵沢でも、「萬吉」がそう。それで食べられなかった。
こういう店は状況で早めに閉まったりする。店の都合だろうけれど、
わざわざ横浜から出かける身としては、「もう行ってやんないから
ね」という気持ちになる。高速代だけで往復6660円。あほらし。

もういきません。こうやって、わざわざ出かけて食べられなかった
蕎麦屋はこれで何軒目になるかしら。横浜から出かけると、どうし
ても午後は遅い時間になる。こうした店は駄目ってことですね。

せいろそば(モリそば)が1人前1200円とか、一口で終わる極少量
の店とか……そんな蕎麦屋さんが増えてきて、蕎麦がぜいたくな
ものになってしまっているように思います。慈久庵のソバはうま
いけれど、おおもりソバを食べると1800円する。腹を納得させよ
うとすれば、これにカケソバでも1杯欲しくなる。それで3000円。
蕎麦だけで、この値段では、ステーキの方がいいと言うでしょう
ねえ。小生には、ここまで高級な蕎麦はもったいないのよね。
        (写真右)藤沢街道長後近くの蕎麦屋「名古屋」の蕎麦。
              打ちはいいが蕎麦の香がない。


「たかが蕎麦ですよ」と抜群の蕎麦を打つある蕎麦屋やさんの御主
人がおっしゃっていた。その「たかが蕎麦」に皆さん拘っていらっ
しゃるのは良く分かりますが、蕎麦好きの小生に、「もう行かない!」
と決心させてしまうような蕎麦屋さんが増えているのは悲しい。

そこで、翌日は遊行寺にある墓参りを兼ねて、藤沢に行き、北口駅前
にある「なかむら庵」分店へ。ここのそばは、信州川上村の蕎麦の実
の一番外側の黒い皮まで一緒に粗めに引いた蕎麦粉で、腰のある、蕎
麦の香りが強い、素朴な蕎麦を打っていて、これが小生の好物だった
のです。ナミ蕎麦なのですが、いわゆる田舎蕎麦風の出来で、御主人
の話しでは、最近滑らかな蕎麦を求めるお客さんが多くなってきた…
…とのことで、「少し滑らかさを出した蕎麦に変えてみました」……
とおっしゃる。蕎麦の香りは本来のもので、コシもあり、確かに蕎麦

は滑らかになって喉ごしがスムーズになっています。蕎麦としては、
文句のつけようのない出来で悪くないけれど、小生の好みから言えば
以前の方が好きだ。
蕎麦の写真は例によって、また撮影を忘れた。蕎麦が目の前に出てく
ると食べることしか頭に浮かばない。理性をなくす。また行かねば。
ご主人から、新しい蕎麦屋さんの情報も教えていただいた。
真津田(鎌倉)、昭庵(小磯)……今度行ってみよう。
    (写真右)藤沢駅前(北口)のなかむら庵分店の、
        ビールと蕎麦茶と蕎麦の実あられ。
        蕎麦が出たら撮影を忘れて食べてしまった。


●1998年8月7日 /花火を両手で抱えるの巻




今日は、友人に招かれて調布市の花火大会見物に行く。なにしろ、
打ち上げ現場の多摩川河原のすぐ前に建つマンションの8階にあり
多摩川に面した隣が7階までしかなくて、屋根が友人の家のルーフ
バルコニーになっているという絶好の立地。打ちあがった花火を両
手でつかめる・・・という絶景。蕎麦とは関係ありませんが、写真
で見ていただきましょう。


●1998年8月6日 /「若竹」を見つけるの巻


横浜線成瀬に友人に会いに行った折、駅の裏側においしい蕎麦屋が
出来たというのを聞いて食べに行ったことがあった・・・というの
を思い出して、成瀬駅裏側を探し、「若竹」を見つける。外観はな
んてことのない店づくりだけれど、「若竹」という名前は、茨城に
一茶庵系統のなかなかうまい蕎麦屋があるので、もしや支店かなに
かでは……との思いもあって店にはいる。内装も、相変わらずどう
ということにない店づくりだけれど、そこはかとなく、”並みの蕎
麦屋”ではない雰囲気があり、つい、ビールに板ワサで一杯。ビー
ルはお代わりまでしてしまった。肝心の蕎麦は、細身で、腰のある、
なかなかの蕎麦でした。73蕎麦とのことで、メニュにもそれが謳
われている。この蕎麦で、もり蕎麦が600円、大もりが700円。量が
少し少なめ、という難点はあるが、それにしても、この蕎麦でこの
値段は、コストパフォーマンスで考えると、超買い得。おすすめの
店です。手打ちではなく、機械打ちであるために、あまり高く評価
されていないのでしょうが、機械打ちでここまで「いい蕎麦」を作
る店があるというのは、嬉しい限りです。お薦めの良心的な店です。


●1998年8月2日 /さざえを堪能するの巻

「盛暑さざえと蕎麦の会」別名「田布施の自然と蕎麦の会」

●さざえを茹でて下拵え、さざえの中身を取り出し、壷焼きの残りを煮る
5kgのひめさざえは、この3倍の量があった。堪能した。

新鮮なさざえが手に入ったので、IMASYの仲間と蕎麦で飲んだ。
山口県田布施町の「カントリー工房:岡部さん」たちが初めた
「土曜朝市」で、ひめさざえを購入し、壷焼きにして食べたところ
が、これがまあ、実にうまくて安い……ということで、気に入って、
お願いして5kgを購入し、IMASYの仲間と「盛暑さざえと蕎麦の会」
別名、「田布施の自然と蕎麦の会」を企画したというわけ。
なんたって、1200円でひめさざえが10〜12個。新鮮で身が締まっ
ていて、磯の香りとシコシコの食感……やめられなくなってしま
ったというわけですワ。
メニュは、ひめさざえ、ハモのつみれと煮物、長ナスの煮付け、
ナスのカラシ漬け、ポテトサラダ、エダマメ、柚ソバ、ウドン。
さざえは壷焼きを作って残りは煮付け、長ナスは煮付けて、ギン
ギンに冷やし、野菜などの煮物に下拵えしたハモミンチを加えて
煮付け、エダマメを茹で……ビールと10年ものの紹興酒と日本酒
………でやりました。

●ハモと生揚げ/竹の子/天ぷら/椎茸の煮物、ご長寿ナスの煮物、ウドン
蕎麦は、湿気が強く、その分計算して水を少なめにいれた積もり
だったのが、それでも水が多すぎた。よほど湿度が高かったのと
思う。この状況では、水は20%ほど減らしてもいいようだ。こん
なに湿気がある夏は蕎麦を打ちだして始めての経験だ。




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