2003年6月分
多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている
「蕎麦打ち&蕎麦食べ歩き日記」であります。
1998年4月以来、ここに登場する全蕎麦屋さんの索引は、
こちら
です。
日記に掲載してあるお店が、県別にひけます。
店名の前に「*」印のあるものは、蕎麦好き読者からの投稿情報です
●2003年6月28日
名古屋・讃岐うどん「麺打ち会」
●麺打ち会の料理の一部
名古屋の讃岐うどんのグループの一人gensanが、自宅の工場で麺打ち会をやるというので、出張時に時間を合わせてもらい、参加した。香川、神戸、静岡、東京から、shigeさん、かずさん夫妻、たるさん、別府さん、工藤さん一家、むしゅふしゅさん、gensanの弟さん……が参加して、一日、それぞれ腕自慢のうどんを堪能した一日でした。かけ、釜揚げ、釜玉、バジル釜玉、カレー、ざる、あんかけ(工藤さんご馳走様でした)、卵とじ(パス)、青唐辛子、ザーサイ・ラー油・ごま油……etc。讃岐うどんは歯ごたえが命と思っていたが、名だたる打ち手のうどんを、茹で加減まで調節していただくと、小麦の命が甦るようだ。なんと豊かなむにゅむにゅのうどんか!讃岐うどんは固さが命……ではないということがやっと分かってきた。たるさん、かずさん、工藤さん、別府さん始め皆さんに懇切に教えていただいて、讃岐うどんの入り口にたどり着いたような気がする。うどんも奥が深い。
●2003年6月27日
ふじや
愛知県春日井市篠木町5-22
●ご主人、澄んだイリコだしのかけ、かき揚げ
愛の貧乏大作戦で、讃岐にうどん修行に行った安藤さんのお店である。うどんはしっかり打たれた讃岐うどんに、澄んだだしが美味しい。だしがイリコなので名古屋の人にはあまり評判は良くないという。天ぷら蕎麦のかき揚げを別の皿にいただいて、小さく切っては汁につけていただいたが、こうすると、天ぷらが崩れないのでなかなかいい。うどんだけでなくからっと揚がった天ぷらも美味しい。店の前に駐車場が2,3台分しかないのが残念だ。TVで放映された直後は、大変なお客さんで人気も高かったが、駐車場がないために路上駐車が増えて、一度取り締まりにあったという。そのためか、お客さんの足が止まっているそうだ。近くに駐車場を見つけてほしいものだ。
メニュは、かけ、冷やしかけうどんが500円、ざる650円、天ぷらうどん850円、卵とじうどん650円、などのほかに、天丼(小うどん付)900円、玉子丼(同)600円、カツ丼(同)800円、うどん定食(うどん、ライス、小鉢、漬物)800円……などがある。ちょっと値段はいいが、価値はある。
●2003年6月27日
ゆたかや
愛知県名古屋市南区笠寺観音商店街
●メニュの一部、天ぷら蕎麦(小)のどんぶり
2軒目は笠寺観音の参道にある商店街のお蕎麦屋さん。きちんとしたテーブル席のソバ屋さんで、鶏南蛮、山菜、天ぷら、卵とじ、カレーうどん……などがすべて、小250円、大350円。この他にもメニュは豊富だが、どれも安い。いただいたのは天ぷら蕎麦(小)250円。天ぷらはエビで小さいがしっかり揚げたて。汁はかつぶしをベースにした薄味でなかなかいい。天ぷらにはしょうゆ……と思っていたが、塩気の強い味だが、だしはしっかり出ていて悪くないのだ。発見である。
●2003年6月27日
中山うどん店
愛知県名古屋市南区呼続4-3-19 052-821-4041
営業時間:10:00−19:30 休み:日曜
●店内、持ち帰りメニュ、裏メニュのうちゅう(うどん+中華そば)
名鉄・堀田駅でgensanにピックアップしてもらって、連れて行っていただいた3軒の一軒目がここ。もともと製麺所が、カウンターで食べさせるようになった……という感じのお店だ。とにかく安い。写真のメニュは、持ち帰りだが、うどん、中華、そばの1玉が70円。カケうどん、そば、きしめん、中華蕎麦が200円である。トッピングの天ぷらも海老天が100円で、あとは70円ほど。いただいたのは、裏メニュのうちゅう(うどん+中華蕎麦)。これでも200円。1玉ずつではなく、半分ずつをあわせて1玉分にしてくれる。このほか、頼めば何でもやってくれる……とのことで、きちゅう(きしめん+中華蕎麦)、うそ(うどん+そば)なんていうのもあるとか。缶ビールなどもあり、天ぷらなどで酒を飲むお客さんもいるとか。お握りなどもあり、昼食でも500円くらいで十分にいけそうだ。こういうお店があるのを知れば、名古屋の麺文化は侮れないことが良く分かる!
●2003年6月25日
天手古舞
愛知県刈谷市稲場町6-186
TEL 0566-23-7857
●お通し、板わさ、店内・打ち場、2色もり(せいろ+クチナシ切り)
昨年、教えられて始めて行ったお店で、今回の実は非常に楽しみにしていたのだが、期待にたがわずなかなかの蕎麦でよかった。いただいたのはせいろと変わりそば(クチナシ)の2色そば。クチナシは初めてだが、梔子と書く。ウコンのような黄色をしていて、香りはあまりない。せいろは蕎麦は最近流行りの細切りではなく、これまでの標準の太さといったらいのだろうか。この太さは私の好みでもある。せいろは香もあり、いい蕎麦である。やはりせいろが一番だ……とこういう蕎麦を食べるとつくづく思う。
最近は細い蕎麦が流行り過ぎていないか。細切りで、最後に氷で締める蕎麦が流行りのようだが、これではせっかくの香りを押えているようなもので、私はあまり感心しない。時には、歯に染みるような冷たい蕎麦が供されたりするが、これはいただけない。香りよりもコシ、食感が大事……という方もいらっしゃるだろうから、それを目指すお店があってもいいと思うが、どのお店もそんな蕎麦を出されると、ちょっとうんざりする。
蕎麦は申し分ないが、ちょっと残念なのは、酒と肴……かな。もう少し充実させてくれると、落ち着いた店内でゆっくり飲めるのだが選択肢があまりないのは残念だ。
●2003年6月24日
刈谷「権兵衛」
刈谷市東刈谷高校正門前
●ドテ焼き、味噌煮込みうどん
出張でホテルに滞在していると、いわば職住接近のために運動不足になりがちである。そこで、仕事が終わった後、プールがその出張先の町にあると出かけるようにしている。愛知県の刈谷市で、ウォータープラザなる施設があると聞き、出かけていった。運動をかねてのことなので、ホテルから歩いていったが、早足で歩いて25分、約2.5kmである。途中、味噌煮込みうどん……の看板を見つけたのでプールの後にここで食事をした。東刈谷高校の正門前のお店である。ビールと酒をドテ焼きでいただいたが、酒は特に銘柄がかかれていなかったので、地酒であろう。この味噌煮込みうどんは、だしは悪くない。うどんはいわゆるパンツのゴム(gensan談)というか、弾力のない半生のような固いうどんではなく、普通のうどんであった。ま、普通のうどんといっても、きちんと打たれたもののようで、それはそれで悪くなかったが、やはりパンツのゴムが欲しいところだ。でも、これはいいところを見つけた。これからこのコースは定番になりそうだ。プールまで往復5km、運動不足を補うにはちょうどいい。
このお店、味噌煮込みうどん……と看板にもかかれているが、実は蕎麦もある。今回は食べなかったが、店内の説明によれば、国産のそば粉を石臼碾きしているという。次回は……もしあればの話だが……蕎麦も食べてみたい。
●2003年6月20日
大むら手打ち蕎麦(相模大野)
神奈川県相模原市相模大野3-7-3
TEL 0427-45-6844
営業時間:11:00〜21:00 休み:土曜日
●モツ煮込み豆腐、せいろ、山かけそば
仕事で相模大野に行った。めったに行かないところだが、ここは最近駅周辺の開発が激しく、駅ビル……と読んでいいのかな……に「さくらや」も入ったりして、なかなか便利な町に変身中だ。ここで、蕎麦が食べたいと探したら、駅近くで見つけたのが、このお店。「北海道産のそば粉を石臼挽きして手打ちしています」」と書かれていたので、出かけてみた。場所は、相模大野駅を西に出て、一番左の、横浜銀行とみずほ銀行の間の”相模大野銀座通り”を入って、100メートルほど進んだ左にある。入り口さえ間違えなければ、分かりやすい場所にある
いただいたのは、板わさ、野菜天ぷら、モツ煮込み豆腐……これで、ビールと灘仕込みの常温をやり、最後に一緒に言った人がせいろ、私が山かけそばをいただいた。蕎麦は、細うちで弱冠切りムラがあるが、色はしっかりとした食欲を感じさせる蕎麦である。冷たい蕎麦は、もう少し茹でていただいた方がいいかな……というギリギリの茹で加減で、太い蕎麦は少し芯が感じられたが、普通は気になることはないだろう。温かい蕎麦は香りがあるかと思ったが、せいろと比べても特に香りが出ているという感じではなかった。カケの蕎麦は歯抜かりがする。私が作る蕎麦で、時々多加水気味にしてしまったり、あるいは前日に打った蕎麦が少し乾燥してしまった際などに、カケそばが、歯ぬかりすることがある。あるいは、ここの蕎麦もそのような感じなのであろうか? 歯抜かりの原因はいろいろといわれているようだが、一つだけではないのかもしれない。
私たちが酒を飲んでいる間に、若い女性が2人入ってきて、[せいろ+小どんぶり]のセットを食べていった。このセットは天丼、カツ丼、などいろいろと用意されていて、このお店の人気メニュのようだ。ソバ屋さんで、若い女性だけのグループを見ると、なんだか嬉しい気のなる。若い女性が入りやすいお店にしていただきたいな……と思う次第です。
●2003年6月12日
古川製粉所「特上」
●古川製粉所さんの特上で打ったせいろとカケ
蕎麦は、しばらく離れていると食べたくなる。これは普通だが、私は、美味しい蕎麦を一度食べると、そのあとしばらく蕎麦が食べたくなるから不思議である。私に限ったことではないかもしれないが……。胡桃亭さんの蕎麦をいただいて帰ってきたら、やたらと蕎麦が食べたくなってきた。蕎麦の香り、味が恋しいのだ。そこで、古川さんの特上があったのでこれを打った。ここのそば粉は、非常に安定していて、大きく変わることがない、年間通して安定して品質を保つというのはなかなかのことではないと思う、それがプロというものかもしれない。香りがよく、カケの汁も胡桃亭さんにならって少し薄めにしたが、これもなかなか良かった。いい粉ですね。500gを打ったが、4食分しかなかった。1食125g、約43%の加水をして178gである。ま、いいところか。
●2003年6月11日
西那須野「胡桃亭」
栃木県那須郡西那須野町一区町131-18
TEL 0287-37-7575 定休:木曜日
営業時間:11:30−15:00、17:00−20:00 11:30−20:00(日祝日)
●(上)ふんわりした蕎麦掻、蕎麦寿司、揚げ蕎麦がき、卵焼き、(下)エビしんじょ揚げと蕎麦あんかけ、粗碾き蕎麦、蕎麦湯、かけそば
忙しい仕事が一段落したので、美味しい蕎麦が食べたくなって、那須まで車を飛ばした。帰りに益子を回ってきたりしたので500km、高速だけで横浜から往復で1万円弱、ガソロリンを入れると、1万5千円ほどになる。まあ、ゼイタクな遊びであるがここでしか食べられないのでしかたがない。出かけたのは、西那須野にある胡桃亭さんである。
こういう蕎麦屋さんが、西那須野という町に存在しているということが不思議だ。単にソバ屋というよりも、蕎麦をベースにした洗練された日本料理のお店と呼んだほうが正しいと思う。粗碾き蕎麦、20メッシュなどという超粗碾き粉を蕎麦打ちの間に広めた元祖、「胡桃亭(くるみてい)」さんである。もともと日本料理を勉強していた村上さんが、岐阜の蕎麦屋さんで粗碾きそばの魅力を知り、故郷の西那須野に戻ってお店を開いたのが、ここ胡桃亭さんである。
普通なら、地元に人たちに合わせて、そうした料理を作るが、村上さんはあくまでも日本料理の蕎麦を作りたいと、そばを生かした新しい料理の創作にも力を入れる。蕎麦がきもそうだが、当たり前の料理のようでいて、独自の工夫と味付けがあり、器も同様に、思い切った模様を使用する。これがまた、盛られる料理にぴったりと合って、なんともいえない雰囲気を出しているのだ。酒も同様で、メニュを見ると、それだけでいい気持ちに酔いそうな名酒が並んでいる。いただいたのは、秋鹿自営田「嘉村壱号田」一貫造り純米大吟醸(これは最初にいただいたが、酒らしい旨みのたっぷりと感じられる酒で、蕎麦がきとやるには最高)、悦凱陣(こちらはすっきりした酒で、ある程度おなかに入った段階でちょうどいい)、はては十旭日の純米吟醸完熟10年(どっしりと凝縮した酒)。料理に酔い、酒に酔い……料理と酒がどんどんのどを滑っていく。
いただいたのは、写真のような料理である。
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蕎麦がき
:粗碾き粉で作った蕎麦がきで、蕎麦の香りと粗碾き粉の特有の食感が楽しめる。
どうやったらこんなふわっとした蕎麦がきが出来るのだろうか? 最初の料理でこんな美味
を出されると、もう十分という気になるから困ったものだ。絶品である。
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蕎麦寿司
これも粗碾き粉で作った蕎麦がベースである。コシと独特の食感を備えた蕎麦の
蕎麦寿司である。普通の寿司よりも酢の按配が強めので、これが蕎麦に良く合っていい。蕎
麦寿司……で美味しいものを食べたことがなかった。で、蕎麦寿司は、ま、言ってみれば、
味よりもにぎやかしの料理ではないか、と思っていたが、どうしてこれならば立派な料理である。
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揚げ蕎麦がき
:蕎麦がきのダンゴを揚げたもの、表面パリっ、なかがふんわり、これを大根
オロシで食べる……。揚げ蕎麦がきが餅のような感じでなかなかいい。
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厚焼き玉子
:これもふんわりした卵焼きで、だしの香りがほんのりして、酒がたまらない。
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エビしんじょ揚げと蕎麦あんかけ
:エビしんじょを揚げたものに、そばの粒が入ったあんが
かけてある。これは、蕎麦入りにあんが絶品。だしと塩加減がぴったりで薄味なために蕎麦
の粒の味までがきちんと感じられる、絶品である。これだけでも東京から来る価値がありそ
う。薄味で美味しいのはしっかり出汁が取られているため……と村上さん。
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粗碾き蕎麦
:これは注釈がいらない。汁が以前はもっとしっかりしていたように記憶してい
たが、今回は薄めでさっぱりな汁である。試行錯誤の末に、しっかりした蕎麦の特徴を味わ
ってもらうために、汁は塩分控えめがいい……と思い、薄めにしている……とのこと。確か
に、蕎麦の香りがより楽しめる。
・
かけそば
:メニュにはなかったのだが、あんかけやせいろの汁の話しをしていると、村上さ
んが席を外して、かけそばを作ってきてくださった。写真でもわかるように、汁の色が薄い。
辛汁が薄味になったのと根は同じで、しょうゆ味を濃くしたくなかったとのこと。そこでだ
しを十分に取り、甘汁ではしょうゆの代わりの塩を使うことで、色を薄くしている。これも
美味しい。椀でいただいたが、一気に食べてしまった。
・
蕎麦湯
:こってりした蕎麦湯で、これもまた美味しい。人によっては、蕎麦湯はかけそば代
わりなので、さっぱりした湯がいいという。これは好き好きだが、私はこってり派である。
粗碾き蕎麦のかけそばは、残念ながらあまり美味しくない……というのが、私の経験だが、粗碾き蕎麦の作り方が違うからではないかという。十分加水してしっかりこねる……ことで、そば本来のよさが引き出され、かけそばでも美味しい蕎麦になる…と村上さん。 最近、粗碾き蕎麦はこねないで、手早く作る……やり方が主流のようだが、蕎麦打ちは奥が深い……と改めて感じさせられた。
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