2002年9月分
多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている
「蕎麦打ち&蕎麦食べ歩き日記」であります。
1998年4月以来、ここに登場する全蕎麦屋さんの索引は、
こちら
です。
日記に掲載してあるお店が、県別にひけます。
店名の前に「*」印のあるものは、蕎麦好き読者からの投稿情報です
●2002年9月27日
かんだ藪蕎麦
千代田区神田1-3-11 TEL0422-55-0910
営業時間:11:30−14:00、平日17:00−22:00 土曜日17:00−23:00 休み:日曜日
●天ぷら、合い焼き(鴨)、焼きのり、かけそば、上がせいろ
仕事で湯島に出かけたので、早めの時間に神田やぶそばに出かけた。久しぶりである。天だね、合い鴨の焼き物(合い焼き)、板わさ、焼き海苔でビールと酒を少しのみ、せいろをいただいた。東京には、いわゆる江戸蕎麦の老舗といわれるお店が何件かある。かんだ藪、まつや、藪伊豆、並木藪……などであるが、こうしたお店の江戸前蕎麦と呼ばれるものを、私はこれまでとり立てておいしいと感じたことがなかったように思う。蕎麦の香りも、コシも何かもうひとつ……と思っていたが、最近、まつやも含めてこうしたいわゆる伝統的な蕎麦屋さんの蕎麦がおいしく感じられるようになってきた。これはどういうわけであろうか?
こうした蕎麦屋さんに共通なのは、しっかり打たれていること、ぎゅっとプレスしたように詰まっている蕎麦だが、コシが強いわけではなく、香りが強いわけではなく……と決して特徴的な蕎麦ではない。だから私としては、とりたてておいしい……と声高に言うようなそばには思っていなかったが、しかし、先月、まつやで食べ、今回、かんだ藪で食べてみたら、「お、うまいじゃないか!」という印象なのだ。まさか年齢に関係しているというわけではなかろうが、この味は確かに若い頃にはおいしいと思わなかったかもしれない。一緒に行った我が友人は、ここの蕎麦が好物である。いわゆる細めでコシの強い、最近はやりのそばはあまり好みではないという。好みは人それぞれだろうが、その好みも変化する。オーダーを奥の厨房に向かって朗々と読み上げる声を聞きながら、うーむ……なるほど……と、改めて蕎麦の不思議さを感じた秋の始めなのであった。
●2002年9月26日
蕎麦酒房ゆきむら
武蔵野市西久保1-3-11 TEL0422-55-0910
営業時間:11:30−14:00、平日17:00−22:00 土曜日17:00−23:00 休み:日曜日
●せいろそば、海苔が少しかかっている
昨年の秋から半年間、週に1回の割で三鷹に出かけていた。ただ出かける時間が夕方だったので食事ということにならない。そのため、あまり気にすることはなかったが、今年はちょうど昼飯時に三鷹で用事が終わる……という時間になったために、そば屋さんでもないかと探したら、何件かひっかかった。そこで、手始めにそのうちの1軒、駅から近くて行きやすいところに出かけてみた。それがこの「ゆきむら」さんである。
三鷹駅前の通りから一本左に入る。位置的にはちょうど東急ストアの裏にあたる。ビルの地下だが、入り口に大きな幕が出ているので見間違うことはない。半地下にある店内は黒をベースに落ち着いた雰囲気だが、ちょうど昼時に入ったためか、お客さんがかなり入っていたが、ほとんどの人がお昼の定食物を食べている。それも、蕎麦のつかない定食で、どうやら近所の人たちには、そば屋というよりも定食屋さんというイメージのようだ。私と同じテーブルになった人は、肉もやし定食を食べておられた。メニュを見ると、マグロ丼などの<小どんぶり+蕎麦+小鉢>というセットが3種類、いずれも950円。その他にもいろいろな定食があって、せいろ蕎麦が1,000円である。これではお客さんがせいろ蕎麦を食べない理由が分かったような気がした。蕎麦酒房というお店だけに、蕎麦が主というよりも酒+肴が主で、最後野蕎麦が立てられます……という売りかもしれない。最近こういうお店が増えている。三間堂とか十割蕎麦等というお店がこのタイプである。そばを食べにお店に入って、野菜炒めの音と匂いをかがされるのは、あまり嬉しくない。店内の空気の循環の問題でもあろうが、改良の余地はありそうだ。
蕎麦は、「北海道十勝山岳地帯で契約栽培を行い、最高級の玄そばを当店地元の製粉所で低温倉庫で保存し、石のかべにぶつけ、からを割って製粉し、こし、あまみを保たせて毎日新鮮なそば粉を宅急便で輸送し、挽きたてをお客様にご賞味いただいております」と同店のパンフレットに紹介されている。せいろは、コシはまあまああるが、残念ながら上に書かれているような甘みも、香りもあまり感じられなかった。この状態であれば、六四くらいかと思うような感じである。汁が薄い、通常の蕎麦汁と比較すると、1.5倍くらいに薄めた感じだろうか。最後に蕎麦湯を飲むのに、バイに薄めてちょうど良かった。普通の蕎麦つゆであれば、3倍くらい……が標準だと思うのでかなり薄めだ。せいろにノリがかかっていた。私はむしろないほうがいいのだが、今回はノリがあってよかった……という感じである。
いつもお店に入って思うことだが、お店を紹介した印刷物などは、たいていレジの横に置かれている。これ、ちょっと違うンと違う?と思うのだがいかがであろうか。私はお店に入ったら、オーダーをする前に読みたい気がする。あるいはオーダーしたあと、そばが出てくるまでの間に、そういう情報を知りたい気がする。分かっていれば、それを食べたのにぃ!と思う経験をすることがよくあるのだ。食べ終わった後レジで情報がありますよ……といわれても、もう食べてしまった!という気になるのだ。お店としては、食べた後持ち帰って、どなたかにお薦めしてくださいね、お願いよ! 営業時間はこんなですよ……という意味なのかもしれないが、客にとっては順序が逆である。テーブルにおいて置いたら、どんどん持っていかれるからもったいない? そうですか。
●2002年9月22日
粗挽き蕎麦
胡桃亭の粗挽き粉200g+古川製粉所「特上」50g
の変則二八粗挽きそば……加水率60%強
仕事をしていて無性に蕎麦が食べたくなってきた。近くに美味しいそば屋さんがあれば飛び込むところだが、あいにくと、ない。しばらく我慢していたがどうしても我慢できなくなって、結局、自分で打つことにした。冷凍庫に、以前、胡桃亭さんから購入した粗挽き粉、これはたぶん、20メッシュくらいか……があるので、これに古川さんの特上を混ぜて打つことにした。粗挽き粉200g+並粉50g。冷凍庫にしばらく入れておいたためか、加水率は60%を少し越えた。胡桃亭の村上さんは、63%くらい入るでしょうとおっしゃっていたから、こんなものか。200+50+60=310gの蕎麦ができる。これで2回食べられるだろう。
水回し−捏ね−伸しまではまあまあ順調に行くが、そこからがいつも雑になってしまう。切りの後、長いタッパーにそっと移すが、どうしてもその段階で少し切れるのが出てくる。そして、茹でる段階で、持ち上げるときにさらに切れる。粗挽き蕎麦を作る皆さんがおっしゃるように、ホイルにでも受けてていねいに静かに扱えばいいのだろうがつい、手抜きをしてしまう。切れても蕎麦が美味しいから、こういうこと平気で繰り返す。つくずく成長せんなあと我れながら呆れる。次からは……なんて安請け合いはすまい。
冷凍庫の中のそば粉は、もう半年以上経つものもある。でも美味しい。これも整理しないとイカンなあ。そのうち、まとめて打つか。今回は、写真なしです。ごめんなさい。カメラが手元になかった。
●2001年9月14日
[寒山拾得]築地そばアカデミー
〒104-0045 東京都中央区築地3-12-12 JKプラザ3F
TEL 03-5148-5559 FAX 03-5148-5510
http://soba.specialist.co.jp
川越そばの会で活躍している井上明さんが、一茶庵・友蕎子の最後の内弟子で一茶庵蕎麦打ち教室の講師を務められていた永山寛康氏を学長として向かえて新たに蕎麦教室をスタートされる。場所は地下鉄・築地駅から1分、本願寺の横という立地のよさである。
開校を前に工事中の同教室を開放するというので、早速見せていただいた。厨房機器を搬入しただけであちこち工事中だったが、これまでの蕎麦屋さんの店舗構成、レイアウト、内装、蕎麦打ちの道具、厨房機器の使い勝手と効率……などなど、さまざまな課題に対して、井上・永山両氏独自の考察を加えて、新しい提案がふんだんに盛り込まれた設備は、これからの蕎麦屋さんの店舗のあり方を示唆するものとして注目に値するものであった。
井上さんは、今後、このアカデミーを基盤にして、茹で湯の対流を重視した釜の開発など、新しい機器類の開発にも意欲を燃やしており、今後が楽しみです。こんな設備、講師で蕎麦打ちを習ったら、うまくなるだろうなあ。うらやましい。
コースは、昼、夜、週末……とさまざまあるようなので、皆さんもいかがですか?
講師の永山寛康さん
助手の浅沼さんと
厨房の中
釜とコンロ
厨房から教室が見える
恒湿冷蔵庫
手前と向こうに釜が2つある
6つある90×150の打ち台。ラバーがかけてある。
右(手前)から左(奥)に
茹で湯が対流している
90×270mmの講師用打ち台・調理台
上の鏡で手元が見える
●2001年9月13日
石臼の目立て致しマス。
東京都品川区旗の台
TEL不明
蔦の絡まる家と門、そして看板
池上線旗の台の町を歩いていて、住宅街で蔦の絡まった家があった。黒板塀に囲まれた家で(上写真)、なかなか趣があるので、近づいてみてみたら、入り口の門のところに小さな木製の看板のようなものがつけられている。何をされているお宅だろうか……といぶかしげに覗いてみたら、なんとそこにかかれている文字を読んでびっくりした。曰く「石臼の目立て致しマス(このマスは□に/の当て字)」。向かって右端に門があり、地蔵さんのように見えるものがその看板である。右の写真はアップにして撮ったものだが、古い看板で永い間風雨にさらされていたようで文字ははっきりとは読めないが、よく見ると、そう書かれていることがわかる。いったい、清閑な住宅地でこの看板は何を意味するのだろうか? このお宅が石臼の目立てを生業にされていたとは考えにくい。ご隠居の暇つぶし? それとも石屋さんや彫刻家の道楽仕事? 唐様と書いた三代目の生きる策? 考えれば考えるほどいろいろと想像されて、楽しい。見つけた5分くらいの間に、10や20のストーリーが頭の中を駆け巡ったのではないか。
今時、この場所で石臼の目立てを商売にする人がいるとは思えないので、まあ、飾りとして立ててあるのだろうが、もし、この看板がこの家のものであったとしたら……、この家にはどのような歴史の変遷があったのであろうか? ……って、あんたに関係ないやろ! 失礼しました。
●石臼の目立て致しマス
●2002年9月13日
笛家
品川区旗の台3-13-3
TEL(03)3782-6672
池上線と大井町線が交差する旗の台で用事があり、終わったら2時15分過ぎになっていた。昼食がまだだったので、遅めの食事をとろうと考えたところで、ここにうどんの「でら打ち」と手打ちそば屋さんが2軒あることを思い出した。近い方から行って見たら最初の百々屋さんが閉まり、でら打ちも閉まり、空いていたのが笛家さんだけという状況であった。昼食の2時仕舞いは早すぎませんかねえ、蕎麦屋さん!
この日は、秋の入り口らしく涼しく、温かい蕎麦が欲しくなった。表示されている壁のメニュを見ると、せいろが600円、たぬきそば、きつねそばが670円と言う。これはいい!とたぬき蕎麦をいただいた。以前ここでオーダーをするときに、「せいろ、手打ちざる、天ぷら蕎麦……」と書かれているメニュをみて、手打ちそばは「ざる蕎麦」だけ、と勘違いして、ざる蕎麦をお願いし、海苔をよけて食べたことがあった。全品手打ちそばなら、この「手打ちざる蕎麦」の表示はまぎらわしい。こういった表示はお客さんを惑わすだけである。……と思い出して再度拝見したら、やはりメニュはそのままだった!
●ねぎがおいしいたぬきそば
次回うかがったら、この件はお話してみよう。……と言うわけで前回はざる蕎麦をいただいたので、今回は暖かいものでもいいかな……という気分でもあった。さて、出されたたぬきそばは、絶品であった。たぬきそばに絶品なんて言葉は合わない……とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれないが、私はたぬきそばファンである。海老の天ぷらは、たいていの場合、安物の海老でおいしくない。価格パフォーマンスを考えると、大半の天ぷらそばは、私の感情^H^H勘定には合わない。さて、このたぬきそばである。まずトッピング。厚めに切られたかまぼこが2枚。質は高級品ではないが、それでも2枚とはサービスである。そして、圧巻は、写真では見えないが、かまぼこと揚げ玉の下に、ねぎが沢山埋まっているのである。個のねぎがおいしくて、これだけを入れた「ねぎそば」をメニュにいれて欲しいと思ったほどである。季節は寒くなり始める秋、暑い夏のねぎにがっかりしてきただけに、このねぎのうまさは感動的ですらあった。このねぎのうまさなら、鴨南蛮を食べてみたい……とそのときに思った。次回は、鴨南蛮と固く心に誓ったのであります。
帰りがけ、「おいしかった。特にねぎがおいしくて、このねぎなら鴨南蛮が食べたくなりますね!」とご主人に声をかけた。聞くところによると、この場所ですでに20年。「奥にあって目立たないので……」とおっしゃっていたが、やはりお蕎麦屋さんによって得意なメニュがあるようで、せいろ一辺倒であった、かつての私のそばの食べ方が視野の狭いものであった……と痛感させられた。
今日の教訓:「せいろもいいけど、種物もね。」
みなさんも、いつものパターンではなく、たまには変わったパターンを試してみてはいかがでしょうか?
●2001年9月8日
手打ち蕎麦 つるつるや
JR御殿場駅前 BE-ONE地下1F、TEL0550-83-7336
営業時間:11:30−20:30、休日:木曜日(祭日営業)
●メニュとコシのあるせいろ蕎麦
店名に騙された……と心から反省した。冷静に判断することが大切である……と肝に命ずればいいのだが、またやるだろうなあ……。イカン、いかん。でもまあ、最後にはうまくいったのでよしとするか……。といってもわかりませんわな。事の顛末はこのようになっております……。
前日、「時の栖」に泊まって、御殿場駅周辺でちょうど昼の時間になった。いつもは車で行くので、JR御殿場駅を見るのは初めてである。どこに何があるかよく分からない。ま、ちょっと散歩を……と思い、駅の周辺を散歩したら、何軒かのそば屋さんが目に付いたどうしてこうも、そば屋さんが気になるのだろう。これはもう観念連合作用とでも言うげんしょうでもあろうか。そして、最初に見つけたのが、このお店である。駅前のビルの地下1階。外階段の下り口に「手打ち蕎麦」の幟が数本立てられている。イラスト入りでメニュを紹介する立て看板も出されている……という状況をみて、迷いもなくパスをする。
駅の周辺をぐるっと一周してきて、さてどこにはいるか……と考えながら、念のためとパスしたそば屋のたて看板のメニュを見ると、手打ち蕎麦、石臼碾きと書かれている。とはいってもねえ……と迷いながらなおもよく見ると、国内産のそば粉、石臼碾き、二八……など気になる文字が目に入ってくる。他に食べるといっても、イタリアンと寿司と中華……という状況が、騙されてもともと入ってみようという気にさせてくれたようだ。
●酒の肴もいろいろある
こうした状況の中で一番の決め手になったのが、「手打ち」でもなければ、「国内産」でも、「石臼碾き」でもない。「二八」の2文字である。あ、これなら大丈夫かもしれない……とそのとき思ったのだ……。私にとっては、この「二八」が決め手になったが、なにを判断材料にするかは、人それぞれでしょうねえ。入らない人もいるでしょうし、別のフレーズに惹かれる人もいるでしょう。でも、入らない……というのでは、人生、何事も起こらない、面白くも何ともないですね。そんな退屈な人生イヤですね、なんてほどのことはないのですが……今日はかなり突っ張りますな、おじさん!
さて、円を描いて下ってゆく地下への外付けの階段を下りると、再度イラスト入りのタテ看板メニュである。ここでもう一度、やはり帰ろうかと思ったが、国内産そば粉、石臼碾き、二八の文字に負けて中に入ってみた。それでも蕎麦を頼む勇気がなかなか湧かなくて、ビールに冷奴……などぐずぐずと迷っていたが、勇を決してせいろを御願いする。そして出されてきたせいろが、上の写真である。見た瞬間、ごめんなさいとご主人に心の中で手を合わせた。みたところなかなかの蕎麦である。香りも悪くない。これは…と思いながら1、2本を箸ですくって口に入れてみると、蕎麦の香りが漂い、絶妙のコシがある。
こうしたケースでハッピーエンドに終わることはまれである……という経験から、なかばあきらめ、玉砕覚悟で飛び込んだお店だったが、予想外の結果で……、だから玉砕覚悟で入ることが辞められない。このお店よく看板を読んでみると以下のように書かれている。「おそば:国内産石臼引きの最高級そば粉を二八で打ったものです。うどん:精選した原料を使用。のど越しが良くて上品な色つや、もちもちした中にしっかりとした歯ごたえをご賞味ください。最高級(一等粉使用)のうどんです。汁:鰹節は枕崎産さつまの枯節(2年もの)です。本節と亀節を混ぜ合わせ、直前に削ったものです。昆布:……」。よく読めば、なるほどと思うが、騙されたのは、しっかりしたそばを創りながら、子供向けのような漫画イラスト入りのメニュとともに、最大の要素は「つるつるや」という店名のせいかもしれない?
みなさん、店名に惑わされてはいけません!
●2002年9月7日
*三つ割り菊
静岡県田方郡韮山町中 TEL055-944-1900
営業時間:11:00−15:00、休み:月曜日、火曜日
●
「伊豆方面も行かれるようなのでごく最近出来たお店でこれからが楽しみな処を一軒紹介いたします。伊豆韮山カントリークラブを目指して行けばカントリークラブ入口のすぐ近所です。R136から韮山反射炉の方へどんどんは行っていったところです。翁の色そのままの店内、かなり広々としていて眺めも良いし、スペースも贅沢にとってあります。メニューもまさに翁そのまま、ただ必見なのはそのお店の行き届いた手入れ、磨き込まれた床、塵一つ無い感じです・・・・。 お蕎麦は玄蕎麦からの自家製粉で今回いただいた「せいろ」は会津の玄蕎麦「田舎」は山形の玄蕎麦です。会津産の「せいろ」はこの時期にしては充分満足の行くお蕎麦でした。惜しむらくは(これは私の個人的な好みですが)もう少しシャープなお蕎麦だと嬉しいのですが。もう一つ御主人の、奥さんの人柄の良さ。人間一時が万事とも申します、あの店内、打ち場、製粉室などを見るとお蕎麦も一段々 と成長してゆくような気がします。もし機会が有りましたら覗いて見て下さい。ロケーションが常連にとっては最高と思えるのですが、一見さんはまず通らない場所なので最悪と言ってよく、潰れずに頑張って欲しいので、もし行かれて気に入った折りにはHPで登場させてあげて下さい。」 蕎麦喰い師 中川
●2002年9月7日
*志美津や(喜多見)
狛江市東野川4-13-5 TEL
営業時間: 休み:
「小田急線喜多見駅下車15分位、非常に地の利が悪いが駐車場は余裕がある。代々続くソバ屋を最近「手打十割そば」として新装開店させた店。ソバのインパクトは無いが辛み大根の仕入れにこだわるなど好感の持てる店。」
(石川)
●2002年9月8日
*すがも(和泉多摩川)
狛江市元和泉1−23 TEL
営業時間: 休み:
「小田急線和泉多摩川駅下車3分位、駅より世田谷通りに出てミニストップのある信号を渡ったミニストップの裏。江戸せいろというものなのか、コシがあり喉越しも良く蕎麦そのものが非常に旨く感じられた。めかぶ蕎麦などのぶっかけも美味しかった。食事時はかなり混む。駐車場は有るが期待しない方が良い。」
(石川)
●2002年9月8日
*しながわ翁(品川)、玄まめ(中野)
「玄まめ」中野区南台4-3-6 TEL
営業時間: 休み:
「今日、「しながわ翁」へ行って来ました。つけとろろ950円、田舎700円を食べました。たまたまなのか12時30分という時間でもガラガラに空いていました。期待感が有りすぎたのか、蕎麦は噛みしめた後に来る旨みと透明感が無く期待はずれでした。店の対応は非常に良かったのですが新蕎麦の季節なら違うのかなと思ったりしました。
最近では笹塚から南台の方へ向かった中野通り沿いの「玄まめ」の極細のもりが旨かったです。(特に付け汁)田舎も食べましたが平打ちなので好みではありませんでした。」
(石川)
●2002年9月7日
蕎仙坊
裾野市須山字二本木1737 TEL0559-98-0170
営業時間:11:30−18:00、休み:月曜日、第2、4火曜日
●案内板、お新香、板わさ、野菜天ぷら
用事があって御殿場に出かけたので、ちょっと早めに行って蕎仙坊で昼を食べた。東名を走って駐車場に車を入れたのがちょうど11:25。既に20名くらいにもなるか、行列である。車を納めて並ぶと店内に案内されるというグッドタイミングであったが、入れたのは私たちまで。私たちの後の人たちは残念ながら、待ちである。うーむ、休日に行ったのは初めてなので、こんな状況であるとは知らなかった。いただいたのは、上の写真にあるものと、鴨南蛮そば。7、8年前にここで鴨南蛮を食べて以来、ここではもう他の物は食べられないようになってしまっていたが、今回の鴨南蛮は、これまでと違って、他のものを食べてもいいかな……という気にさせた。蕎麦の深みと鴨の芳醇さ……がない。当たり前である。蕎麦は一年前の収穫、鴨の最適季節は冬……それを覚悟して、逆の季節に食べているのだから止むを得ない。食べた方が悪い。期待したくなるほど、ここの鴨南蛮蕎麦はうまいのです。
それにしても、このお店のよく気がつくサービスはたいしたものである。この点については、お店と店員さんの変らないホスピタリティに脱帽、感謝である。
●2002年9月2日
五兵衛(松本)
松本市開智2-2-17 TEL0267-33-9332
営業時間:11:00-15:00(蕎麦が終わり次第終了) 休み:水曜日
9月1日におわら風の盆を見に行った帰り、2日に復路を糸魚川−南小谷−松本−新宿と変更して、松本で下車し、五兵衛さんに寄った。五兵衛さんのお蕎麦をいただく……は長い間の懸案だった。昨年秋、戸隠でお会いして、われわら素人の集まりの中で一人プロでありながら蕎麦談義に加わり、非常に真摯な態度でていねいにお付き合いくださった。その飾りのない誠実な人柄に見習わねばと思っていた。戸隠オフの後、しばらくして石臼を導入して自家碾きをはじめたいということで、いろいろ検討されていたが、とうとう電動化した石臼を入れられ、生粉打ちと粗挽きそばを始めたとお聞きして、これはぜひ食べさせていただかねば……と思っていたのだ。それが、なかなかチャンスがないまま、といっても、思い切って行けばいけたのだが何かと忙しさに追われている間に、とうとう1年が経ってしまったというのが本音だった。ごめんなさい。
それともう一つ、松本まで行くならば、穂高に行って松尾街道にある天満沢に久しぶりに行ってみたい……という思いがあり、松本・穂高……というコースを考えると、3、4日は欲しいという気になって、ちょっと気楽に松本に行くということが出来かねたという事情もあった。天満沢……は、自分で蕎麦打ちを日常的に、本格的に始めるまえ、20年程前までによく通っていたお店で、当時は私はここのお蕎麦が一番と思っていた。2、3年に一回、近くにある松尾山荘などに泊まって天満沢の蕎麦を食べに行く……という悦楽を幾度か経験した身としては、今食べるとどんな感想をもつのかが楽しみなのである、最後に行ったのは、もう8年程前になろうか。そば前に熱燗をワサビの葉のおひたしでやるのは、ここで知った至福の味なのだ。
話が外れた。五兵衛さんである。駅からいえば松本城の裏側だろうか、開智学校の近く、丸の内病院の斜め前にある。20人ほどが入れる小ぶりのお店で、外に向ってある打ち台の横に電動の臼が置かれている。石臼を導入されるときに、狭いから場所を確保するのが大変とおっしゃっていたが、上手にレイアウトして使っていらっしゃる。しばらくすると、仕事中の平林さんもお見えになって、しばらく蕎麦談義、道具作り話しを聞かせていただいた。仕事中申し訳ありませんでした。
さて、釜前を奥さんに任せて話しをしていたのだが、奥さんからお蕎麦はいかがですか……とお声かけをいただいて、生粉打ちと粗挽き蕎麦をいただいた。どちらも蕎麦の香りがあり、コシもあって、やはり自家挽きのよさが感じられる。粗挽き蕎麦も、いわゆる固さがあまりなく、粗挽きの食感を生かした非常に食べやすい蕎麦でした。さすがにプロの仕事と思いました。
この夏、五兵衛さんは、メニュはせいろ、生粉打ち、粗挽き蕎麦、ダッタンそば……の冷やしだけで通したそうです。8月の後半は、テレビでのダッタン蕎麦のブレークで、休みなしの大変なシーズンを過ごされたようですが、しかし、ずーっとダッタン蕎麦を作りつづけた継続が大きな結果を生む原動力になっていることは疑いもありません。見習わなければいかんなと思いますね。冷やしだけのメニュで通す……これは意外に大変なことだろうと思います。というのは、必ずしも蕎麦マニアだけが来店するわけではありません。こない……というリスクを覚悟しても、自分の主義を通す……一つの生き方ではあると思いますが、それをつら抜く蕎麦打ちとしての自負と根性は、拍手を送りたいと思います。こうすることで見えてくるものもあると思います。そこからまた、なにか新しいものが生まれてくるのではないかと思います。がんばれ!
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