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蕎麦打ち日記ボタン 2002年4月分

多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている
「蕎麦打ち&蕎麦食べ歩き日記」であります。


1998年4月以来、ここに登場する全蕎麦屋さんの索引は、こちらです。
日記に掲載してあるお店が、県別にひけます。



●2002年4月29日

自家石臼挽き蕎麦

径275ミリの石臼


     



自家石臼碾きのそば粉と、打った蕎麦
  我ながら少しアキレテいる。27日に500gの安曇野のそば粉で生粉打ちをした。加水分を入れると約750gの蕎麦ができる。まあ食べたくて作ったのだからと、27日昼、夜、28日朝、昼、夜……と5回続けて食べてやっと終わった。さすがに29日の朝はご飯が食べたくなって、簡易和定食を食べた。といっても、味噌汁、納豆、漬物、豆腐という家庭での朝飯定番コースである。実を言えば、28日の朝にはそろそろご飯を食べたくなっていたのだが、ここで浮気をしては残っているそばに申し訳が立たないと、何とか蕎麦を食べたのだ。
  ところがである……。28日に、粉を碾いてしまったから、自家製のそば粉が出来た。どんな蕎麦になるか、我慢できずに、とうとう29日に蕎麦を打ってしまった。前日に碾いた、約300gの粉が、碾かれただけで所在なげに宙に浮いているそば粉を見るに忍びなくて、打ち始めてしまったのだ。さて、またそばができた。……で、昼にこれを食べた。
  さすがに少々蕎麦の香りが鼻について飽きているが、やはり自分で碾いた粉は抜群である。粗挽き粉で、細かい粉もかなり含まれているので、加水量も43,3%くらいか、せいぜい45%くらいで打てるだろうと思ったが、どうしてどうして入った水分は、55%ほどにも達した。全粒粉なので1番粉も碾き込まれているためだろう。
  しかし、なかなか美味しい。蕎麦の香りもあるし、コシもあるし、ちょっと細くしすぎたが、これを標準の1.2から1.3ミリくらいで仕上げれば、申し分のないそばに上がるはずだ。最近はこれが難しいのだ。どういうわけか、細くなってしまう。延しの段階で薄く伸していると言うことである。ここを適当なところで、延しを止めればいいということになるが……。とりあえず、ここまでの段階では、大成功である。ただ問題は、歩留が悪い。もう少し甘皮も入った蕎麦になるともっと香りも出ていいが、もう一度碾くか。さて、どうしたらいいか?


●2002年4月28日

自家石臼挽き蕎麦粉

径275ミリの石臼


     



石臼でそば粉を挽く
  しばらく前にいただいていた石臼でそば粉を碾いてみた。前に古川製粉所さんから譲っていただいていた丸抜きをとりあえず挽いてみた。なかなか面白い。1回挽きでは結構粗い粉が出るが、何もせずにこの粗さでまずは、打ってみることにする。細かい粉もあるので、繋がりそうだ。粗挽きができれば、この臼は大成功。このあと、2回碾きをしてみて、メッシュ60くらいの全粒粉ができれば、粗挽き、せいろ用と文句なしなのであるが……。それを確認してみたい。ただ、1回目の碾きでは、粒径がばらばらである。粗挽きから、細かい粉まで、粒径の見本市の如しである。
  1回目を挽き終えたたあとの上臼を外してみると、上の写真のようになっている。写真の左が1回目を挽いたあとの下臼。その隣が、上臼である。どちらも溝に粉がたまっている。臼が磨り減っていて、かなり平らになっていることが分かる。この粉をフルイにかけると、これだけ挽けなかった甘皮が出てきた。そして、残ったのがこれ。これが粉であるが、この状態で、見たところメッシュ40以下か。再度臼に入れて、2度挽きをしてどこまで細かくなるか、確認したい。この粉をなめると、蕎麦の香りがする。なかなかいい粉である。今後、以下を試してみたいと思っている。
1.このまま、甘皮を除いて蕎麦を打ってみる
2.甘皮を戻して、2度碾きをしてみる(全粒粉)
3.甘皮を除いて、2度碾きをしてみる


●2002年4月27日

安曇野産そば粉

安曇野産蕎麦粉の生粉打ち蕎麦


     



川上村産そば粉の蕎麦がき、安曇野産蕎麦粉生粉せいろ、かけそば
  世の中はごーるでんうぃーくとかで騒いでいるが、当方は誰も相手にしてくれない。仕方なしに残務の整理に精を出しているが、退屈してきたので、いろいろと試してみた。最初は、夕方の小腹がすいてきたので、少し残っていた信州川上村産のそば粉で蕎麦がきを作る。醤油にかつぶしを入れて土佐醤油を作り、これでやりだすとビールが欲しくなり、結局酒を飲みながら……ということになる。夕食には結局、安曇野産のそば粉500gを生粉打ちにして食べる。500gを打つと、加水分を入れて約750gの蕎麦ができるので、結局その後は何回か続けて蕎麦を食べる羽目になる。頑張って食べると、夜、朝、昼、夜くらいまでもつ。ここまで続けて食べるとさすがにうんざりしてくるが。
  遊びついでに、いろいろとためしてみた。
1.大根卸し……これは当たり前すぎて新鮮味がなかった
2.のり+ネギ……これも同様。いつもの味だし……
3.丹波の小豆……これはあんこでしたが、秀逸でした。白玉の代わりに蕎
  麦でもいけるようですね。
4.味噌……これもわるくない……これは焼きミソのように刻みネギ、かつ
  ぶしを混ぜて食べましたが、いけます。
5.ジャム……これが一番意外でした。小豆に相当します。これ、なかなかいい
  お茶と一緒に」出すといいかも。緑茶ではなく、どんなお茶がいいのか?…
6.アイスクリーム……うーん、と言う感じです。アイスが溶けてしまうと、
  何も残らない
7.納豆……これはいけるけれど、このままでは面白くない
一番は小豆で、2番がジャム……甘味が合うようだ。……とmlで書いたら、ブルーベリーも美味しいと教えてくれた人がいる。小豆も試した人がいる。みなさん、よくご存知のようであった。


●2002年4月23日

相模原・加寿屋
一食の価値あり、さっぱり「ねぎそば」
相模原市高値2-2-16
tel:(042)757-1313
定休:月曜、営業時間:11:30-14:00LO、17:30−22:30LO
     



せいろ、ねぎそば、焼き味噌、野菜天ぷら
  国道16号の淵野辺十字路を南に入り、2、3ブロック進んで左に入ったすぐ左にあるのがこの加寿屋さん。もともとご主人がサラリーマンであったのを、26年前に結婚を気に奥さんの実家のおそば屋さんに習って手打ちそば屋さんを開業、長い間、町のそば屋さんのように多くのメニューで経営していたが、昨年10月31日に心機一転、手打ちを表に出して、店舗を立て替え、新規開店したという。店内は、最近流行りのモダンな和風で、控えめな間接照明を多用して落ち着いた雰囲気を醸している。カウンターとテーブル、小上がりの座敷がある。店内をうまくレイアウトして、カウンター、テーブル、座敷……とそれぞれの特徴を生かした落ち着いたお店になっている。
  新装開店して大きく変わったのは、蕎麦のメニュが少なくなったこと。それまでのお客さんからは、メニュが少ないと言われると言う。酒の肴が増えた代わりに確かに蕎麦屋の定番のメニュの大半が消えた。「以前は夜8時には閉めていましたがそれではやっていかれません。新しい業態を……と手打ちを始めました」とご主人。客単価を上げる工夫が必要ということで、酒の肴も増やし、酒+そばの店として再出発である。
  蕎麦はせいろとネギ蕎麦をいただいた。せいろそばは、蕎麦の香りもあり、コシもあるなかなかいい蕎麦である。驚いたのは、暖かいネギ蕎麦である。あまり重い蕎麦は避けたかったので軽そうなネギ蕎麦を選んだのだが、出されてきたのは写真のように、万能ネギがカケ蕎麦の上に載せられているもの。なるほどと思ったが、さっと湯通しされた万能ネギと蕎麦、ツユの相性がなんとも抜群で、これは意外、病み付きになりそうだ。
  酒の肴も豊富でいいが、その種類と選択は課題がありそうだ。主たる客層をどこに置いているのか、肴は誰を対象にして選択しているのか……見たところ若い人間を対象にしているように思える。手打蕎麦の客層とは明らかなミスマッチがあるような気がする。ちなみに私は、焼き味噌と野菜天ぷらを選んだ。あとは香のもの、板わさくらいしか私には選択肢はない。ネギトロ、馬刺し、生春巻き、豆腐サラダ、穴子一本焼き、イカわた、モツ煮込み……若い人たちには嬉しいメニュのようだが、私にはなかなか選択が難しい。蕎麦が悪くないだけに、このあたり再考していただけると、嬉しいのだが……。

ワサビのおひたし(お通し)とあられ、小上がりの席、蕎麦と料理のメニュ


●2002年4月20日

三吉橋・小嶋屋

横浜市南区中村町3-188-9
tel:(045)261-0391
定休:月曜、営業時間:11:30-15:30、17:00−20:00
     



上は田舎そば、2色蕎麦、焼き味噌、春野菜の天ぷら
  長い横浜橋商店街を突っ切ると国道16号に出るが、この先は三吉橋商店街。これを抜けると左手に三吉演芸場がある。横浜に少なくなって実演演芸場である。このさきの橋を渡り、20メートルほど右に行くと、川沿いにあるのが小嶋屋さんである。ここは私の好きなそば屋さんでもある。この時期にある春野菜の天ぷらは、アスパラ、セリ、フキノトウ、タラの芽、コゴミ、ソラマメ……などの盛り合わせで1000円。これで、酒を2、3杯やるというのが私の好きな時間である。今回飲んだのは、丹沢山。ここは、日本酒を飲むと付け合せとし小ぶりな焼き味噌がついてくる。最初にビールをオーダーする際に、酒もいただきますので……と御願いしておくと、日本酒をオーダーする前に焼き味噌を出してくれる……というありがたいサービスがあるのだ。こういう親切は嬉しいですね。厨房の手が空くと、若いご主人も表に出てくる。このお店が好きな理由はこうした丁寧さ、親切さがあるからでもある。
  翁で修行したと言うご主人の蕎麦は、高橋さん譲りでなかなかいい。細めの蕎麦はかおりもある。本日の粉は、……と店内に表示されている。この日は、斜里、金砂郷、西山(茨城)と書かれている。ご主人が出てこられた折に、割合は?と伺うと、同割ですという。別々に挽いた粉を同割で混ぜているのですか?と聞くと、玄蕎麦の段階でブレンドし、磨いて粒をそろえ、抜いて電動石臼で碾くという。地下室での作業である。


●2002年4月14日

麺打ち会のラーメン




     



Sさんが持参したそば粉で打った蕎麦、Mさん等の合作ラーメン
  4月14日に東大宮で麺打ち会が行なわれた。主催は極東うどんmlの長老H氏である。第10回目とかで、開催のたびにだんだんメニュや料理も増えて、今回は、うどん、そばに加えてラーメン、鴨焼き、豚二郎の焼き豚、煮卵……までが加わった。詳細は別のところで紹介されると思われるが、このラーメンはなかなか贅沢なラーメンだった。Mさんが打った麺、長老が作ったスープと煮卵、豚二郎のチャーシュー、こんなラーメンができるとは知らなかった。そばは、Sさんの友人がつくった蕎麦なので打ってみてくださいと持ってこられたものだ、コシがあっていい粉だった。


●2002年4月13日

鴨南蛮そば

信州川上村産そば粉


     



川上村産そば粉と赤城食品の卵入り長ひやむぎで食べる鴨汁
  4月14日に東大宮で麺打ち会が行なわれる。この席に鴨汁を持参することになり、前日に鴨汁を作った。せっかくだからと信州川上村産のそば粉が少し余っていたので、これを150gほど生粉打ちにして、鴨汁そばでいただいた。鴨といえば冬のものと言う頭があるので、今シーズンはこれが最後かと思ったが、町ではいくらでも売っている。冬になれば脂肪をためて美味しくなるから、鴨は冬のものと思っていたが、いまや通年あるようだ。キュウリやトマトと同様に、鴨にもシーズンがなくなってしまったのか?
  蕎麦ともう一つ、このところ気に入っている冷麦がある。これは赤城食品の卵入り長ひやむぎである。腰もそこそこあって、つやがあり、卵が入っているために味に丸みがある。近くの荏原中延の商店街を歩いているときに偶然見つけたもので、ソーメンよりも冷麦好きの私としては、昨年から食べている乾麺である。鴨汁でやってみたが、これも悪くない。夏にまた買いだめしておかねば……。


●2002年4月9日

中目黒・喜道庵

目黒区上目黒3-3
TEL(03)3715-0068
定休:日曜、営業時間:11:30−21:00
     



喜道庵
  随分長い間、中目黒を本拠地にして仕事をしていた。上目黒であったり、東山であったりしたが、いずれにしても東急東横線、営団地下鉄日比谷線の中目黒駅から数分のところにあり、ここに通算して15、6年はいたことになると思う。駅周辺の何件か蕎麦屋さんがあって、その何件かを選んでは昼食を食べることが多かったが、一番通ったのが、駅前というか、ホーム下にある”喜道庵”である。開店して数年後には近くに第2店舗を開店し、さらに2,3年後には渋谷に開店した。開店当時、30代始めと思われたご主人も、もう50代の中ごろではないか。
  ここは、機械打ちだが、蕎麦の香りがあって、そば粉もいい粉を使い、70〜80%とかなり高いのではないか。モリ蕎麦も美味しく、機械打ちのお店としてはお薦めである。私はここでは、大盛りそばか、たぬきそばをいただき、夏になると冷やしたぬきそばと決めていた。その喜道庵さんに、20年ぶりくらいで入ってみた。お店のレイアウトは代わり、スタッフも全員が代わってしまっていたが、味は変わらない。写真がたぬきそばである。どうということのないそばだが、私は天ぷらの味はすきなのだが、エビとか中身が余り好きではないので、天ぷらそばを食べることはまずない。天せいろも食べない。蕎麦汁が油で汚れるのが、イヤなのである。暖かい汁は脂が溶けて美味しくなるが、天ぷらの中身が不要なので、結局はたぬきそばを食べることになる。天せいろを御願いすると、天ツユを別に持ってきてくれるお店があるが、こういうサービスは私にはありがたい。なので私にとっては、天ぷらは、あくまでもそば前の肴用である。
  喜道庵のたぬきそばは、揚げる油もきちんと管理されているのだろう。温かいそばの香りが強く出て、ちょっと甘めのツユと溶け合って、味はなかなかである。機械打ちでもそば粉をたくさん入れてきちんと打てば、美味しいそばができる。このお店、いわばB級グルメとして、特つきで、おすすめのお店である。


●2002年4月7日

北関東蕎麦悦楽の旅(6)胡桃亭

栃木県西那須野町1区131-18
TEL(028)737-7575
定休日:木曜、営業時間:平日11:30〜15:00 17:00〜20:45
                 日・祝日 11:30〜20:00



せいろ蕎麦2段、手挽き田舎そば、釜揚げうどん、蕎麦がき

●冷たい蕎麦のメニュ、鴨焼き、出汁まき卵、漬物
  一夜明けて翌日、雨模様の中を西那須野の胡桃亭さんに向う。ちょっと早めに着いたので、近くでやっている朝市、地元産品の物産即売会に出かけて、桃太郎などを購入する。ここで買った地粉のうどん乾麺が、あまり期待していなかったのが申し訳ないくらい、コシがあってうまかった。
  さて、夢にまで見た胡桃亭さんである。蕎麦を打ち始めて何年になるか、これまで何度か粗挽き蕎麦を打とうとして、どうしても打てない、蕎麦にならないことを繰り返してきた。粗挽き蕎麦の食感や味の魅力に感動し、わけがわからないまま粗挽き蕎麦を打ちたいと思って、何度か水で生粉打ちをしてみたが、なかなかうまくいかない。ぶつぶつに切れてしまうのである。こんな事を何度か繰り返しているときに使った粉が、古川製粉所さんを通して販売されていた胡桃亭さんの粗挽き粉なのである。打てないのが悔しくて、なんどか粉を購入して打ってみたがうまくいかない。やっと打てるようになったのは、打ち方を教えてもらってからである。
  その後、3kgずつ何度か粉を胡桃亭さんから分けていただき、試行錯誤を繰り返してきた。加水量について店主の村上さんからアドバイスをいただいたりもした。つい、この2月にも5kgを分けていただいたばかりである。そんなことがあって、一度、胡桃亭さんにお邪魔して蕎麦をいただかせていただこうと思っていたが、それがやっと実現したと言うわけである。
  いただいたのは、蕎麦だけではなかった。メニュ(下の写真)を見ると、美味しそうな料理とお酒が並んでいる。飛んで火にいる夏の虫……ではない、馬の鼻前にりんごである。オーソリティにオーダーを任せて、我々は出されるものをひたすらいただいた。出汁まきはふんわりと、鴨焼きは鴨の脂がしみた付け合せの細切りネギが抜群で、鴨よりもこちらだけでもオーダーしたいほど。漬物はつき具合、塩分とも申し分なく、食べながら出てくるのはため息ばかり。それにしても、この酒、2ページ分をすべて注文し、注文するものがなくなると、村上さんとっておきの秘酒がでてくるわ、でてくるわ……平成元年の日本酒を熟成させたものなど、まったりした芳醇な味わいは”甘露”という以外にない絶品であった。イヤハヤ、オーダーした酒よりも、後からいただいた方が価格的には高かったのではないか……と思えるほどの一品揃い。それがどれも料理と合って、言うことなし。ごちそうさまでした。
  で、夢にまでみた蕎麦は、粗挽き蕎麦の食感に蕎麦の持つ香り、甘み、丸みが感じられて、粗挽き蕎麦の魅力が見事に生かされている。そば汁でも美味しいが、これなら塩でも美味しいのではとIさんが言い出して、塩をいただけますか……と尾根G死したら塩と岩塩を出してくれた。しをでいただく粗挽き蕎麦も、蕎麦の香りがより生きて、一品であった。長さは拘らないという村上さん、これだけの蕎麦ならば、長さはあまり意味を持たないかもしれない。このせいろが実に550円である。太目の田舎そばは800円。その価格設定に驚くが、それもこのお店の集客力に繋がっているのかもしれない。これだけの手打蕎麦を提供し、厳選した酒を集めながらも、セットメニュでご飯・漬物付きを用意している。その謙虚さとお客の要望にあわせる柔軟な姿勢に頭が下がる。そばのうまさを最大に生かす、こんな蕎麦を打ちたい……と思いながらいただきました。
  このあと、大田原温泉に浸かり、ゆったりと休んで夜東京に戻ってきた。なんとも贅沢な、北関東蕎麦悦楽のたびであった。

料理メニュ、酒のメニュ:厳選されたラインアップは垂涎モノ、平成元年の熟成酒


●2002年4月6日

北関東蕎麦悦楽の旅(5)アラビカ根本さんの蕎麦道具工房

アラビカ/栃木県足利市今福町324
TEL(028)421-6818

     



根本さん作の麺棒、塗りもの、うづくり、うづくりで作ったコマ板

●寄木のまな板、蕎麦包丁、これは根本さん作ではないが石臼、工房の作業場
  もっと早め16:30頃に伺う予定が大幅にずれて、結局は6時過ぎになってしまったが、やっと足利市内で知られたコーヒー店のアラビカに根本さんを訪ねた。丁寧にネルドリップで香りの豊かなコーヒーをいただいて一休み。このコーヒーの美味しさだけからでも、入れ手がタダ者ではないことが分かる。私たちの矢継ぎ早な質問に答えながら、手は確かなゆったりしたペースでお湯を沸かし、コーヒー粉を出し、ポットにセットして、お湯を注ぎ……とすべてが、おそらく何度やっても、どんな状況でも同じペースで進められるのではないかと思われるようなテンポで処理されてゆく。この安定感は、生み出される作品の質を想像させるに充分だった。
  コーヒーをいただいたあとに、車で根本さんの工房へ。木工所をやっていた工場が空いていたので借りたという、木工用の設備がついた45平米ほどの”工場”で、その一部が、写真の作品の置かれた部屋になっている。
  さて、その蕎麦道具の作品であるが、まあ、ため息が出る……という意外に言いようがない。私が使っている蕎麦道具は、もちろん、疎な道具などと言えるような代物ではない。まったくの安物で、それでは足りない……という間隔がないのだから、不自由はないのだが、しかし、一つだけ困っていることがある。それは、まな板、切り台である。いいまな板が欲しい。蕎麦打ちの腕が上がっていくと、一つずつ、使っている道具では不都合なことが起きてくる。そのときになって道具を揃えればいいと思うが、……そんな目から見ても、ここにある道具は、麻薬である。たいていの道具であれば、いいなあ、と思うだけですむが、ここにある道具は、うーん、こんな道具で一度打ってみたい……と思わせる媚薬がある。とても私が使うような類のものとは思えないが、そう思うほど、輝いているのだ。
  上の写真の中に「うづくり」と言うのがあるが、これは「かるかや」の根っ子を水にさらした後に干して、 麻紐で強く束ねたもので、これで桐などの板の表面をこすることで表面を強くするのが目的である。コマ板をこれで処理すると、木目が浮き出るために切りの作業うをスムーズにする効果があるといわれているものだ。いえ、私のレベルでは分かりません。   根本さんは、2002年の5、6月には足利の織姫茶屋で蕎麦打ち教室を開催すると言う。スケジュールが合えばぜひいきたいと思っている。


●2002年4月6日

北関東蕎麦悦楽の旅(4)足利・一茶庵本店

栃木県足利市柳原町862-11
TEL(028)440-3188
定休:水曜・第3木曜、営業時間:11:30−14:00、16:30−19:30
     



三色そば、五色そば
  朝8:30に渋谷を出てぐるっと回ってきたら、足利についたのは、暗くなり始めた6:00頃になってしまった。足利で蕎麦道具を扱う五合庵に行き、そこで別れて、半分は五合庵に入り、私とMさんは大田のTさんと待ちまわせて一茶庵にお邪魔した。一茶庵は、以前あった病院の近くから移り、お店もきれいになっていたので、一瞬、場所を間違えてしまった。店内は広く座敷もあるようで、以前の町のただのそば屋さんという店構えと違い、見事な料亭風である。
  いただいたのは、三色そばである。この日は、せいろ、茶そば、田舎そばで、これが一つの器に盛られてくる。Mさんは5色そばを注文、こちらは丸い重ね椀である。これが入るのは若さの違いだろう。さて、せいろをいただくが……口に入れた瞬間にびっくりである。蕎麦の香りが口の中に広がり、言葉がでない。うまいねえ……とつい口に出してしまったが、香りがまるで違うのだ。もちろん蕎麦の打ち方もあるだろうが、これは明らかに粉の力である。量もまあまあで、決して少なくない。このせいろは一人前650円である。この味で、この値段は、とてもかなわない。このうまさは、絶品という以外にない。私は、蕎麦は何よりも蕎麦の香り派である。だから、蕎麦がきは大好きである。茶そばも、田舎そばも、言うことはない。
  数年前、以前食べたときにはそれほど感じなかったが、今回は香りのよさが非常に目に付いた。今をときめく一茶庵の本家だけにいい蕎麦粉が手に入るだろうことは想像に難くないが、この蕎麦には驚いた。脱帽である。腹はまだくちくてあまり入らない……という状況でこの味だから推して知るべきである。さすが一茶庵……という思いを強くした。こういう粉で打ったらどうなるか、譲っていただけるなら、粉を譲っていただいてくるべきであった……と後悔したがあとに立たず。


●2002年4月6日

北関東蕎麦悦楽の旅(3)草月

群馬県勢多郡新里村大字板橋468
TEL(027)774-2506

     



道路から草月さんが見える
  そば処せきざわから、一茶庵のある足利に向かう途中で、せっかくここまで来たのだから……ご挨拶だけと草月の福田さんのお店に伺った。足利で約束の時間があるので、お蕎麦をいただく時間もなく、ほんの立ち話でお茶をご馳走になるようなあわただしいご挨拶であった。途中桜の名所があるとかで道路が渋滞し、1時間以上時間が余分にかかってしまったので余計だった。福田さんごめんなさい。伺ったときには見学をされていた方もいらっしゃり、またsoba-mlの仲間と言う方もお一人で福田さんを訪ねていらっしゃった。福田さん、なかなかの人気である。蕎麦で繁盛……というのは仲間として悪い気持ちはしない。奥様にも、ほんの駆け足できちんとご挨拶もせずに帰ってきてしまったが、帰りには椎茸までもいただいてしまった。


●2002年4月6日

北関東蕎麦悦楽の旅(2)そば処せきざわ

群馬県群馬郡箕郷町(みさとまち)上芝136-8
TEL(027)371-7084
定休:金曜、第2土曜、営業時間:11:30−14:30、17:30−19:30
     



メニュと鴨なんばん
  おおのさんのお店からほんの2−300メートル先に、そば処せきざわがある。群馬県内でも評判のお店で、大野さんもホームページで群馬県内の美味しいお店としてホームページでも紹介していた。すでに大野さんのお店でお腹は出来上がっているので、一杯だけということで、寄った。メニュは写真のようにシンプルで、ここの売り物は、三昧そばである。つまりは、田舎蕎麦、変わりそば、生粉打ちの3種類を楽しむものだが、どうやら評判になっているのは、それぞれが順を追って出されることにあるようだ。この三昧蕎麦をたべた仲間には、田舎そばの評判が良かったようだ。香りが最も残っていたのが田舎そばのようだった
  私は、3枚は量的に多いということで、鴨なんばんをお願いした。私が鴨なんばんが好きなのは、鴨肉が好きだからではない。鴨の脂が蕎麦汁と溶け合った独特の甘さが好きなためだ。だから、鴨は焼いて脂を充分に引き出してほしいと言うのが希望なのだが、ここのかもなんばんはそうではないようだ。厚めにスライスされた鴨肉が蕎麦の上に載せて出される。鴨肉そのものが好きな人にはこたえられないだろうが、私にはちょっと苦手はタイプである。しかし、温かい蕎麦と言うこともあって、蕎麦の香りがよく出ていて、温かい蕎麦としては、文句なし、評判がインチキではないことがよく分かる。
  このお店、実は蕎麦を自家栽培し、それを刈り取って製粉して供すると言う。畑は長野県栄村にあり、そこで取れた粉で生粉打ちと田舎そばの一部をまかなっているというから、そばにかける情熱は半端ではない。そば処おおのとともに、集積効果でお客さんが呼べるといい。


●2002年4月6日

北関東蕎麦悦楽の旅(1)そば処おおの

群馬県群馬郡箕郷町(みさとまち)上芝342-3
TEL(027)371-4479
定休:火曜、第2・4水曜、営業時間:11:30−17:00
     



門から店内へのアプローチ、恩師・永山寛康師と奥さん(I)、せいろそば(M)、かけそば(I)
  4月6(土)-7(日)と群馬・箕郷「そば処おおの、せきざわ」−新田−足利「一茶庵、アラビカ根本さん工房」−那須野「粗挽き生粉打ち蕎麦胡桃亭」と回った。おいしい蕎麦と料理・酒を堪能し、目が眩むような蕎麦道具を拝見し、温泉に浸かるという贅沢な旅をしてきた。同行したのは、いずれも蕎麦を語らせたら、とどまるところを知らないという薀蓄と技の持ち主で、自他ともに認める正当蕎麦狂いの面々である。そのあまりに深い病気の進行ぶりに、きわめて正常でまっとうな私はことあるごとにクラックラッとしながらも、何とか持ちこたえることができたが、これはすでに幾分か同病の世界に入ってしまっていたためかもしれない。
  最初に伺ったのは、高崎近郊・箕郷に昨年開業された、「そば処おおの」さんである。Soba-mlの古くからの仲間で、ml上でもそば屋開業を宣言し、ご自分のホームページで後進の参考に供するために、同時進行の開業ドキュメントを記されたかただから、ご存知の方も多いだろう。関越のおかげで、渋谷を8:30に出れば、途中休憩しながらでも11:30にはお店につく。便利になったものである。といっても運転をしない私は、らくらく助手席で、いつもの事ながら運転される方に感謝感謝である。車はMさんの大型のワゴンで、まさにらくらく出あった。ありがとうさんでした。
  さて、「そば処おおの」さんは、写真でも拝見していたが、なかなかしゃれた和風モダン。BGMのジャズがお店の雰囲気にマッチして、落ち着く雰囲気だ。10席の大テーブルに、奥には2卓、8〜12席の小上がりがある。あとで、このお店は写真撮影に使えると同行したそば男のIさんが言っていたが、さまざまなシチュエーションを楽しめそうでもある。
  出汁まき卵と、蕎麦がき(この2つは秀逸!)で酒をいただいたあと、せいろ蕎麦をいただいた。北海道江丹別産の丸抜きを自家製粉をしているだけに香りもあり、しっかりと打たれた蕎麦はコシもあり、北海道利尻昆布に枕崎産の枯れ節、亀節でとったつゆと合ってわざわざ来た甲斐があるというもの。蕎麦好きにはこたえられない。永山師は、「もう0.2mmほど太い方が味も食感も良くなるのでは?」と指摘されておられた。詳細は大野さんのホームページ(http://www5.wind.ne.jp/~ohno/index.htm)を参照されたい。せいろは約180gで650円とボリュームも充分。昼から出来上がってしまった。
  それにしてもサラリーマンから脱サラでそば屋を開業するというのは、想像を絶した大変さであろうと思う。まあ、ご本人は好きで始めた道なので、歯を食いしばっても何とかすると思うが、亭主の夢なるものに付き合わされる奥方は、なお、大変であろう。大野さんが厨房、奥さんがホールと役割を分担し、お2人で切り盛りしているが、お客の応対をする奥さんは、なれない仕事でもあり気苦労も多いと思うが、「気が付けば、蕎麦屋の女房になってました。」と明るく笑うこの人柄に、大野さんが助けられるところも多いのではないか。お2人の成功を祈るばかりである。


●2002年4月3日

笛家

品川区旗の台3-13-3
TEL(03)3782-6672

     



手打ざる、笛家
 
  旗の台には手打蕎麦を出すお店が何件かある。それも酒が飲めるお店が2件、いわゆる蕎麦屋さんが1件。その蕎麦屋さんの1件がこの笛家さん。旗の台駅から徒歩で1分もかからない。このお店以前から知っていたのだが、なぜか入る機会がなくて、今回、ちょうど昼時ということで、百々亭に寄ったついでにお邪魔した。国内産のそば粉を使用しているとかで店内にも国内産のそば粉小麦粉を使用しています……と表示されている。店内に入って、注文する段階になってメニュを見ると、せいろ、ざる……と並んでいる中に、「手打ざる」と書かれた紙が張られていた。時々、手打ではない蕎麦がメインで、少し手打蕎麦を打っているというお店がある。もしかするとと思い、手打ざるを注文した。後で分かったことだが、すべて手打なのだ。
  店の奥に打ち場があって、ご主人がせっせと打っている。朝にでもまとめて捏ねておいたのか、玉を出しては伸して切り、それを釜に入れて茹でる……ということをしているのである。玉の大きさは、およそ2kg。3、4食分切っては、釜に入れてゆで、せいろに盛って出し、また切り場に戻って切り……ということをしているのだ。見たところ、伸しも切りも簡単にやっている。玉をつぶして丸くする段階も、容易に丸くなる。面白かったのでずーっと見せていただいたが、なるほどと思ったことがある。2度に分けて4つダシをしているのである。
  伸しの工程はこうだ。まず、最初に玉を手で延ばして丸くすると、麺棒でのばし、巻きつけて4つダシをする。転がしは、2回、 1回でおわる。見ていると少しゆるそうだ。このあと肉わけをして平均に伸したあと、再度、巻きつけて、巻きつけて4つダシをする。これも、2回、1回である。このあと、平均に延ばして、横1回、縦2回たたんで、切る。この巻きつけて延ばす……工程を2回行なうのである。なるほどと思ったが、この方が合理的かもしれない。今度やってみよう。
  ここはお蕎麦屋さんなので、酒の肴が……用意されているというわけではない。せいろ600円、ざる700円……という蕎麦メニュである。特筆することといえば、冷やしメニュがあることか。最近増えてきたが、冬でも冷やしたぬき、きつねを出すお店が増えてきたが、ここも掲示しているメニュでは、冷やしそば類が注文できるようだった。そばは、残念ながらゆるい上に、茹ですぎである。せいろがびしゃびしゃで、水切りもしっかりされていない。蕎麦も、茹ですぎでゆるい。いつもこうなのかどうかは分からないが、残念である。あのゆるい麺ならば、20〜30秒でいいと思うが、2分くらい茹でたか……という状態で出された。適正な湯で時間で食べてみたかった。


●2002年4月3日

百々亭

品川区西中延2-15-19
TEL(03)3783-0801
11:30-14:00、17:30-22:00
     



お店の正面と蕎麦せんべい、蕎麦コロッケ
    
    東急池上線というのは、都内のローカル線というか、4両編成の東急電鉄の中でもどちらかというと1時代前のお古の電車が走っている路線だが、大井町線との交差点である旗の台という駅はちょっと面白い駅だ。駅前はすぐに細い道で店があり、タクシーなどとても止まっている駅ではないが、味があるのだ。ここには、手打蕎麦、うどんのお店が何件か集まっているんである。よく知られているのは、うどんの「でら打ち」である。私はここが通勤の乗換駅で、定期的に通う病院があるので、月に1、2度は下車しているのだが、時間が朝一番に行くことが多いので、なかなか食事をするという機会がない。今日はたまたま昼時に旗の台にいたので、それでは……とかねてから気になっていた蕎麦をやることにした。
  この百々亭は、そばやというよりも、酒も飲ませる店といったほうがいいかもしれない。店のカードには、「信州戸隠手打そば処・酒処」と書かれている。単にそばだけでなく、酒の肴も充実していて、そば好き、酒好きにはこたえられないお店である。さて、昼と言うこともあって軽く……ということで、とりあえずビールとそばコロッケ(400円)をいただく。ビールの突き出しにそばせんべいが出される。そばコロッケは、そば粉をシメジと合えて味付けした後あげたもので、ビールにはうってつけである。
  そして最後にざるそば(600円)をいただく。ヘギそばのように手で丸めてあるがそばは戸隠そば。粉を戸隠から購入しているという。芯の部分に強いコシというか、片栗粉をつなぎにしたような(使っているわけではないが)、特有の固さがあり、しかし、決して生と言うわけではない。なかなかいいそばだ。香りもあり、量的にも、これで、150gほどか。まあまあの量である。これで600円と言うのは価格パフォーマンスはよい。そば豆腐、ソバキュリ……などのそば関連のメニュのほかに、魚、鍋などもあり、このお店は夜に行ってみたい。決して店内は広いわけではないので、込み合いそうだ。
  こういうお店、何処かにあった……と思ったら福井県大野市には、こういう居酒屋がたくさんある。飲んだ〆には必ずオロシそばをやれる。私にとっては天国に近い町だ。


●2002年4月2日

東神奈川・「蔵」
横浜市神奈川区西神奈川1-13-14
     ライオンズマンション東白楽第2
TEL(045)313-5664
日・水休み、11:30-14:30、17:00-20:00
     




(上段)ご主人蔵屋さん、絶品そばがき、いわしのショウガ煮、
(下段)メニュ、店構え
    
    横浜市の鶴見区長さんをやられていて、退職して蕎麦屋さんを開店されたという珍しい経歴のご主人・蔵屋時也さんのお店である。場所は、JR京浜東北線の東神奈川と東急東横線東白楽の中間、横浜逓信病院の東神奈川・国道1号側の道を入った右にある。どちらの駅からも5分ほどの距離だ。十勝産の丸抜きを購入し、電動の石臼で自家製粉する。開店時に、電動石臼を200vの三相で……とお願いしたところが、出来上がってきたのは200vの単相で、「そのおかげで石臼は1分間に10回転しかしません。そのため、逆に非常に細かい粉に挽けます。怪我の功名です」と蔵屋さん。確かに粉は、触れると手にしっとりするくらいに微粉に挽けている。臼の回転が遅いので熱も発生せず、香りも逃げない。夜の営業中に翌日分の粉を挽き、それを朝来てそばに打つ。
 蕎麦打ちは源氏庵の内藤さんに師事。なかなかいい粉だとお褒めいただいたという。開店して3年と少し、まあ、3年頑張ればなんとかなるだろうという予想はなかなかうまく現実にならないようだが、もともと「商売をやろうと言うよりも、毎朝汗をかいてそばを打つ、この健康のためにやっているようなものですから」という。そばは昨日うまく打てたから、今日はもっとうまくいくだろうと思っても、なかなかそうはいかない。難しいですね……とのことだが、こういう真摯な姿がお客さんの信頼も得ているようで、すこし遠くから来てくださるお客さんが多いとのこと。
  客席は16だから、昼時などあっという間に満席になってしまったりする。そうなると一人で厨房を担当する身としては大変である。そば屋はてんぷらをやらなければ……といわれて、天ぷらをメニュに入れているが、お客さんが込む時間に注文があると大変だ。自分が客で行った時には「遅い」と文句を言ったが、今では逆に言われる方になりました……という。
  さて、いただいたのは、絶品と評価の高い「そばがき」と「せいろ」。ビールと酒のアテには、いわしのショウガ煮。このいわしは、これだけの数が何と400円である。そばがきは、もちもちツルっとして蕎麦の香りが充満している。付け合せのゆずの香りも効いて、確かにこれは絶品である。ワサビと葱でいただくということはありません。せいろ蕎麦は、前回から比べると細打ちになったよう。蕎麦の香りもあって、これもなかなかである。

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