トップボタン蕎麦打ち日記ボタン蕎麦屋さん検索ボタン蕎麦打ちボタン蕎麦リンクボタンmailボタン


蕎麦打ち日記ボタン 2001年9月分

多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている
「蕎麦打ち&蕎麦食べ歩き日記」であります。


1998年4月以来、ここに登場する全蕎麦屋さんの索引は、こちらです。
日記に掲載してあるお店が、県別にひけます。



●2001年09月24日

『富倉「はしば食堂」の蕎麦を食べる』





●つけもの、富倉そば、メニュ

長野県の北西角にあたる富倉は、やまごぼうをつなぎに使った富倉の産地として知られる。やまごぼうをどのようにつなぎに使うのか知らないが、畳の上に新聞を広げて、蕎麦粉を伸している風景を写真などで見たことがあって、機会があったらいちど食べてみたいと思っていたのが、戸隠、黒姫と出かけたついでに、かねてから気になっていた富倉蕎麦を食べに行ってみることにした。
ここまでは、同行する仲間に恵まれないと行けない。山の中、それもさらに支道の細道をかなり入る、まさかこんなところでは休日とはいえ、お客はいないだろうとの予想を覆して、なかなかの混みようである。どこもいわゆる農家、民家である。自宅の居間を客室に改造しての営業である。この地区の農家の蕎麦店の営業は先駆店の情報を聞いたのが10数年前になるから、山都・宮古地区あるいは村上の蕎麦街道あたりと同じような古さと記憶しているが、あるいはもっと古いかもしれない。
はしば食堂は富倉地区にはいって最初にある蕎麦食堂であるが、メニュは上の写真のようにモリそばだけである。そばのまえに漬物がでる。ミョウガ、すぐき、キュリ、それにカボチャの煮物である。どれも日常の食べ物がそのまま供される感じだ。そばは2人前を注文したが、ザルに一つ盛りででてくる。口に入れた感じはヘギ蕎麦と似ている。ほとんどこれをヘギ蕎麦として供されても区別はつけられないだろう。ということは、やまごぼうというのは、もともとかなりの粘度をもっていると思われる。蕎麦粉をつかった麺としては、韓国の冷麺がもっとも固く締まったものと思われるが、次がヘギ蕎麦、富倉蕎麦……あたりだろうか。冷麺は、<蕎麦粉+片栗粉>ヘギ蕎麦は<蕎麦粉+ふのり>だから、やまごぼうはふのりくらいの粘度、強度を持っていることになる。
蕎麦の太さも並み蕎麦ほどで、ヘギ蕎麦のようにくるっと曲げてだされてくる。一度、食べてみるのも面白い。



●2001年09月24日

『黒姫・ふじおかの蕎麦を味わう』

蕎麦ふじおか
     長野県上水内郡信濃町野尻字山桑2090-28 水木休み。
     TEL026-255-5855。 11:30〜15:00(売り切れ)


●ふじおか、メニュ、野菜の煮物

9月23−24日と戸隠でsoba-mlのオフ会があり、24日の帰りに、ここまできたのだから蕎麦を食べていこう……ということになり、どこがいいかということで選んだのがこの「ふじおか」。名声は日本中に鳴り響いている。黒姫の山の中に、それはうまい蕎麦屋さんがある……もはや伝説のように語られている。前日は、昼に上田の東都庵で蕎麦を食べ、夜は腕自慢たちが打った新蕎麦を食べながら夜中まで語り、24日朝には煮込みうどんを食べたあとである。もう麺類はいい、米を食べたい……と普通の人なら言うであろうが、どういうわけか蕎麦好きの私には、そういう気がおこらないのだ。どうせ食べるなら、やはり「蕎麦!」なのである。
戸隠のキャンプ場で朝の10:00にみんなと別れ、途中で聞きながら、黒姫のふじおかに向う。地図を書いてもらったり、口頭で道を教えてもったりしたが、みんな近くまでしか教えてくれない。「行って聞きなさい!」というわけである。いただいた情報を元に、迷いながら行ってみると、確かに近くで「聞く」以外にない。バス停山桑からは、細い道を行く。まさかこんなところに……と思うような、坂道を下り、畑に出る手前の左にある別荘風のつくりの建物が、ふじおかだった。

 ●ふじおかの看板
時間は10時半。開店は11時半だというのに、すでに5人ほどが待っていた。藤岡に行くには朝一番でないとダメ……と聞いたことがあったが、こんなに早くから待っているとは知らなかった。店内に入って分かったことだが、席は4人のテーブルが3つに、6人のテーブルが1つ。全部で18席である。開店と同時にこの席に、入れ込みで全部入れてしまい、注文を聞く。まとめてサービスするので、映画と同じように、総入れ替えである。だから、開店時に18人の中に入っていないと、第2回目に回され、約2時間ほどを待つ仕儀になる。

さて、メニュは上の写真のようにシンプルで、できるものはせいろ蕎麦、そばがき、そばぜんざいの3種類である。ただ、せいろそばには季節の野菜料理(写真)と漬物がでる。上の写真はどちらも、2人前である。せいろそばが1人前1500円だが、この野菜の料理と漬物が入った値段だからこれはなんとも安い。せいろのおかわりが800円だから、野菜料理と漬物で700円ということになるが、これも嬉しい値段である。
野菜料理は4種類。少食の女性ならば、これだけでもおなかが一杯になりそうだ。このボリュームを予想しなかった男性は、事前に注文してあったおかわりを持て余していた。注文したのは、せいろ、そばがきである。出されてくるのは、野菜料理、そばがき、漬物、せいろの順で、この後にそばぜんざいがくるはずである。

 ●ふんわりと柔らかな絶品そばがき。
そばがきが絶品で、ふんわりと仕上がっているのは、蒸らしたものか、やさしく仕上がっていて、蕎麦の香りも高くなかなかいい。そばは、角が立っていて香りがある、しっかり打たれた、間違いなくいい蕎麦である。
太さも細すぎずに頃あいで、量も1人前180グラムほどもありそうな嬉しいボリュームである。ここで使う蕎麦粉は、すぐ下にある畑で採ったものということだが、自作の蕎麦粉を抜いて、挽いて出している、まさに手作りの蕎麦である。漬物も塩加減が少なめで、充分に酒の肴としていけそうだが、いかんせん車ナシではいけないところで、酒を飲むのもなかなかできそうもない。
うわさに聞いていたふじおか……蕎麦をするものとして、ひとつの理想のような気がする。価格の安さといい魅力的な蕎麦屋さんである。

 ●香ばしい蕎麦茶


●漬物



●2001年09月2日

『伊香保「いけや」の蕎麦を食べる』

「いけや」
     群馬県伊香保町 TEL0279-72-3193


●酒とあて、そばがき、鴨南蛮そば、三色そば

水沢うどんでがっかりしたので、伊香保の温泉にでも入って、再度口直しを……と伊香保に向うと、途中、「手打そば・いけや」という看板を見つけた。半信半疑ながら気を取り直して一路その店に向う。立地は、温泉街に入ってすぐ、松本楼を左に見て右折すると下り坂になるが、100Mほど進んだ左にしもた屋風のお店がある。これが、「いけや」。ここで手打蕎麦屋さんに遭うとは地獄に仏である。しかも古びた店構えがいい。ご主人の小池さんの自宅を改築して20年ほど前から伊香保温泉で手打そば店を経営されているという。
いただいたのは酒のアテとしてもいけるそばがき、三色そばと鴨南蛮。そばがきは、ここの方式は始めてであったが、写真を拡大して見ていただきたい。そばがきに、ねぎ、のり、わさび……が添えられていて、ノリを手にとり、手巻きのようにそばがきを入れ、ねぎ、わさび……と入れて、醤油をつけて食べると、これで立派な酒の肴である。目からウロコが落ちる思いであった。
三色そばは、田舎、けしきり、更科そばの3種で、どれもコシがあって悪くない。20年前から開店というから明確ではないが、けしきりがあるのは、一茶庵で修行された方かも? それもそばの香りがあるが、何よりも出色の出来が、鴨南蛮。合鴨のそばとしては季節が悪いが、これは逸品だ。確か1,100円ほどだったが、水沢うどんの<中>と同じ値段とは信じられない。鴨の脂がそばつゆに溶けて、頬が落ちそうなうまさで、そばと汁が一瞬にして胃袋にすっ飛んでいってし
まった(失礼。つい興奮して、尊敬してやまない不屈の胃袋をもつ東京農大小泉先生の口調がつい出てしまった)。
このお店、以前は夜中の1時まで営業していたという。伊香保温泉に泊まっているお客さんが、飲んだあとの夜食に何か食べたい……と外出してくるが、そうしたお客様のために、夜中まで店を開けていたという。「酒を飲んだあとに、この鴨南蛮は人気がありますよ」と奥さんが言われたが、これは酒の後の夜食としては病み付きになりそうな気がする。ここでそばを食べたお客さんが、東京でも夜中のそばを求めてくれると、蕎麦屋さんも変わるかもしれないのだが…
夜中まで働いて、寝るのは早くても午前2時、こんな状態で翌日昼食用にお店を用意していると、身体を壊すということで、最近は夜の9時までで閉店しているという。
温泉地の手打そば店……そう聞いただけで敬遠する方もあるかもしれないが、このお店はお勧め。意外なところで偶然にめぐり合ったお店だが、伊香保に泊まられる方はぜひ手打そばの夜食という幸運を体験されたい。結局、こんなところでのんびりしてしまったために、伊香保の湯にも浸からずに帰宅する羽目になってしまった。
私も次回は、伊香保温泉に泊まって早めの夜食に、この鴨南蛮といってみたいと思っている。


●2001年09月2日

『水沢うどん「清水屋」のウドンを食べる 』



日曜日の午後、水沢うどんを食べに行った。途中、近くにいた地元に住むらしい人に聞くと、「水沢うどんは高いから行かない」という返事。行ってみると、水沢観音を含めて見事な観光地であった。
うどん屋さんが道の両側に20件ほど軒を並べている。迷った末に入ったのがこのお店。メニュをみてびっくりした。中ビンのビールが700円である! こんなに高いビールは、蕎麦・うどんやでは経験がない。なぜ、この値段になるのか、私にはわからない。うどんは、<小>630円、<中>1,155円、<大>1,365円
うどんは、<中>が一人前ですという。私は<中>を、一緒に行った仲間は<小>を注文。あまりに高いので止めようと思ったが、のどが渇いていたのでビールと舞茸のバターいためも注文した。最初に出てきたのが舞茸のバターいため。黙って置いていくので、待っていたがビールがこない。忘れられていた。催促して出してもらう。グラスに注ぐとすぐ、予想したようにうどんが来る。うどんを肴にビールを飲むという、どうにもならない羽目になった。うどんはコシがあるわけでなし、ごま味のつけ汁が特徴なくらいで、これもそう珍しいものではない。特徴がわからない。価格パフォーマンスは低い。うどんも、ビール同様に高い値段の理由が分からなかった。
このお店に入った理由は、店先に「ただいま満席です。番号札をとってお待ちください」と書かれていたので、それほど人気の店ならば……と思ったからだ。で、番号札を取って待っていたらすぐに呼ばれた。店に入ったら、客は半分だった。時間は2:30。いつもではないのだろうが、意図的にしているような印象だった。
この時点で、"なにか変だぞ!"と思ったのだが。<小>を頼んだ仲間は、「メニュの値段をみて、こんなお店に儲けさせるのは許せないと思ったら食べる気がしなくなった」……と言っていた。彼は正しかったかもしれない。3口で終わりそうな量だった。
あの通りに並んだうどん店の中にはおいしくて値段も手ごろなお店もあると思う。そういう良心的なお店には、かわいそうだが、こういう店が駆逐されないのは、全体の体質がこういうものだからかも知れない。3流の観光地風で残念だった。私はもう行かない。
というような話をある友人にしたら、中の一人が自分も同じ経験をした「あそこには2度と行かない!」と腹立たしく語っていた。
うどんの写真を撮影する気にもならなかった。
蕎麦バナー Copyright(C) 1998-2001, Fumihiko KAJI. Japan