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何度も足を運びながら、行くたびに売り切れ店じまい……そんなお 店がいくつかある。その一つが、この天祥庵である。場所は、河口 湖、名高い富士・忍野八海にある。横浜から東名を下ると、車でち ょうど一走りと言う距離が御殿場・裾野あたりになる。この近辺に 行くと、どうしても蕎仙坊に寄ることになり、その後は……となる と、どうしても北に向うことになる。山中湖−河口湖を目指し、そ の後中央道で大月−八王子と経由して、16号線で横浜に戻るという 周遊ルートである。時にはこの逆になることもあるが、このコース は、蕎麦を食べたくなったときの定番ルートである。 このルートで、どうしても食べられない蕎麦店が、天祥庵だった。 東名で行って、昼に裾野・蕎仙坊で食べると、河口湖に着くのは午 後3時過ぎになる。数年前まで天祥庵を紹介したパンフレットなど では、営業時間は11:00〜18:00と書かれている事が多かった。最初 はそれを頼りに、出かけて、売り切れ……ということがあり、2回 目は早めに……ということで4時頃に、3度目は定休日……と繰り 返して、食べられなかったお店なのである。 ……というようで、今回は、早めに出かけることにした。12時前に 着いた時には、お客さんはほとんどいない。国道 139号から忍野八 海で横道に入り、急坂を登ったところにある、ひっそりと隠れたか やぶきのお店。外観からは小さく見えるが中に入ると意外と広い。 店の前、窓外は赤松の樹林である。天気がいいと、赤松の向こうに 富士が見えるそうだが、残念ながら曇り空で見えない。それでも、 この大きな窓を通して見える赤松の林は圧巻である。これだけでも 心が和む思いがする。 さて、いただいたのは焼き味噌(450円)と漬物(300円)、それに せいろそば(700円)である。どれもリーズナブルな価格であること が嬉しい。珍しいことに、メニュに温かい蕎麦はない。すべて冷た い蕎麦である。せいろでいただいた蕎麦は、一茶庵系の蕎麦のよう だが、しっかり打たれた、余計な細工のない素朴な蕎麦でありなが ら、非常に洗練された蕎麦という感じがあるのは、蕎麦を打つ職人 の感性であろう。蕎麦は蕎麦が持つ固さとコシの強さが相まって、 ウドンとは違った独特の食感を引き出している。蕎麦の香りも充分 にあり蕎麦としては一級である。 この蕎麦のよさは、温かい汁に浸しては活かせないように思う。温 かい蕎麦がないのは、そうしたことを考えてのことであろう。 今回は最初のことで、せいろ蕎麦をいただいたが、このお店では自 家栽培の辛み大根を使ったぶっかけ蕎麦が名物のようだ。次回はこ のぶっかけ蕎麦(1,250円)を試してみたい。 ・天祥庵 山梨県南都留郡忍野村忍草2848-2 TEL0555-84-4119 水曜日休み 11:00−16:00(売切れ仕舞い) |


