Welcome to Kaji's 蕎麦打ち日記 Space





多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている
「蕎麦打ち&蕎麦食べ歩き日記」であります。



1998年4月以来、ここに登場する全蕎麦屋さんの索引は、 こちらです。
日記に掲載してあるお店が、県別にひけます。






蕎麦打ち日記2001年4月分




●2001年04月28日/山形村山そば街道・三郎兵衛の蕎麦を食べる



●(上段)そば街道と最上川、6番店三郎兵衛、店内、ご主人の蕎麦打ち
(中段)蕎麦打ちの様子と漬物
(下段)突き出しと、岩魚(500円)、普通盛りそば

そば街道のちょうど中間あたり、ちょっと横道に入って突き当たりにあ
る農家を利用したお店が手打三郎兵衛。店構えが田舎家で、この街道で
も”あらきそば”と人気を2分するお店のようだ。外観がいい感じなの
で、入りたくなる雰囲気がある。店内は、畳敷きの座敷でくつろぐ。
よったのが、1時半過ぎで、そばがなくなったところで、ご主人が急遽
打ち始めたところを見学した。2kgと少しを要領よく打っていく。麺棒
に撒きつけて伸ばすのではなく、あくまでも麺棒を上から転がして伸ば
していく。「こういう打ち方なので大変なんです」とご主人は言う。見
る間に大きく伸ばしてゆくが、麺棒に巻きつけずに伸ばせるのは、そば
が田舎そば風に太めなので、細打ちと比べて少し厚めで済むから、打ち
台からはみ出す心配がないためだろう。みるみる伸ばして、畳み、切り
に移行する。見事な早さである。切りは左利きである。「左用の包丁も
出来合いで売っているんですよ」とのこと。出来上がったそばをすぐに
茹でてくれる。これは予想しなかったうれしい誤算である。それと、酒
を少し飲んだが、飲み終わるまでそばを出さないという気配りがなされ
ているのはありがたい。

そばは、これも見事な田舎そばである。大きさ30×23cmほどの板の船に
盛られて出されるが、普通盛りが800円、大盛りが1400円。船はあらき
そばに比べて小さいが、その分そばは厚めにしっかりと入っている。そ
ばの香りが強く、しっかり打たれていて、これもまたあらきそばに負けず
にいい。どちらかと言えば、あらきそばの方が、より田舎そば風で太く、
しっかり打たれている。なによりも蕎麦の香りが強いのがいい。
どちらをとるか、このあたりは好みだろう。”そば”らしいそばである。
都会の人はこうしたそばに接する機会がないので、都会の人にもファン
は多そうである。ここの駐車場は、と言っても自宅の庭であるが、一杯で
ナンバーから、お客さんが遠くからもきていることがわかる。
最上川三難所・そば街道第6番・手打「三郎兵衛」
山形県村山市富並921 11:00〜20:00(夏季)、11:00−19:00(冬季) 無休
電話0237-57-2305



●2001年04月28日/山形・村山そば街道・あらきそばの蕎麦を食べる



●あらきそば

山形・村山市で最近つとに知られるのがそば街道。最上川の3難所にそ
った道沿いに、そば自慢の店が散在する。一番店から現在14番店まで番
号がふられており、1番店から最後の14番店までは車で15分から20分ほ
どかかる。そば街道と言う意味がわかる気がする。その最後の14番店が
あらきそばである。瀟洒な田舎家の店は一見しただけで入ってみたくな
る雰囲気がある。この店だけでも客をひきつける魅力がある。
店内も外観のとおり、田舎屋の座敷である。座っていて落ち着くが、酒
を飲む店ではない。あくまでも蕎麦屋なので、酒はせいぜい1、2杯と
いう処だろう。ここのニシン(500円)は、厨房の大きな鍋でいつも煮込
まれているが、これが柔らかくてなかなかいける。漬物が付けあわせで
くるが、これも悪くない。そばをもう一軒食べる積りで酒は避けようと
思っていたがニシンと漬物がきては酒ナシではすまない。車の運転をしな
い気楽さである。申し訳ない。

さて、この店はなんと言ってもそばである。ここでは、うすもりと昔も
りの2種類。あらきそばはいわゆる板そばで、船形の箱に入れて供され
る。これをいたそばと呼んでいるが、ここの板は、40cm×20cmほどの大
きさがある。この箱に薄くそばを入れたものがうすもり(700円)。上の
写真の下段の左端がそれだ。ここにしっかりと入れたものがむかしもり
で1,300円。うすもりは写真で見ると、少ないと思うかもしれないが、
大きさが大きさである。ちなみにうすもりがどのくらいの量かといえば、
「伝承の家」で教える量が、そば粉400g、割り粉100gの二八そばに200g
の加水をして、締めて700g。これがうすもりで3人分、むかしもりで2人
分というから、うすもりでも1人前が230g! むかしもりならば350g、
3人前に近い量があるのだ。

そばは、見事な田舎そばである。引きぐるみの粉を使ってそのまま打っ
た太打ちのそば。そばの香りが充満していて、噛むとそば香が口の中に
広がる。しっかり打たれているので強い食感があり、いかにも、食べた
と言う印象が残る。駐車場は満車で、ナンバーは横浜、川崎、富山……
と全国から。充実したそばである。これは手打そばの原点といってもい
い蕎麦である。この香りをもった細打ちに出会ったことがない。繊細な
そばという前に、この豪快な率直なそばを味わって欲しい気がする。
細工をしない、そばそのものを素直に楽しめる、私好みのそばであった。
最上川三難所・そば街道第14番・あらきそば
山形県村山市大久保甲65 11:00〜18:00  毎月11・26日休み
電話0237-54-2248 



●2001年04月27日/山都宮古地区・なかじまの蕎麦を食べる




●(上段)なかじま、ご主人の唐橋克巳さん、部屋の内部、夢見の水
 (中段)みずそば、セット、刺身こんにゃく、奥様
 (下段)メニュ、山都から都に入る曲がり道には旗が立っている

27日は、会津の鶴が城など市内を散歩した後、山都に向う。ここは特に
何があるわけではないが、緑豊かな風景が広がるので高速に乗らず、国
道を行った方がいい。会津坂下を経て山都までゆっくり行って1時間弱。
宮古地区への入り口を素通りして山都の「そば伝承館」にゆく。そば伝
承館でそば粉を購入する。1kgで1300円。ついでに、そばの実を買う。
ここでは丸抜きからも販売している。ここになければ、頼んでおけば送
ってもくれる。実を買ったのは、殺風景な事務所で少しでも緑を……と
そばもやしを作ってみようと思ったからである。
飯豊の湯に行ってみたかったが、残念ながら時間がなくて諦めた。そば
粉を買った後は、一路宮古地区へ。川に沿った狭い道を進むが、せいぜ
い2車線と細いこの道には、ガードレースがない。危険だなあと思った
が、後で唐橋さんに、雪を川に流すのでガードレールがない……と聞い
て納得した。途中に、村松友視さん命名の湧き水”夢見の水”がある。
この水が、宮古名物”水そば”の水である。

山都から宮古に入る道の入り口には上の最後の写真にあるように幟が立
てられているので間違えることはない。連休前ということもあって、用
意万端怠りなし……というところか。宮古で蕎麦屋さn開店の元祖とも言
うべき唐橋克巳さんの”なかじま”は比較的奥のほうだ。開店したのは
昭和37年、最初は山都の町で開業したが、宮古のそば粉でやるなら宮古
でということで、宮古に戻って自宅で開店。当時は道路も出来ていないの
で、お客さんは山都駅から片道2時間半を歩いて食べにきたという。
ここ10年ほど、そばが話題になり、唐橋さんのそばが注目される中で、
唐橋さんは宮古地区の人たちに蕎麦屋の開業を勧め、今では宮古地区だ
けでなく、山都あるいは会津地域を含めた町おこしの主要なテーマとな
っている。会津地区の19市町村の蕎麦屋さんなど関係者を集めて、会津
そばトピア会議も設置されている。宮古地区で蕎麦屋さんに勧めるのは
自宅を改造せずにそのまま使うこと……だとか。そのため、ここの蕎麦
屋さんはどこも、自宅の座敷で頂く雰囲気である。これが落ち着いてな
かなかいい。最近では自宅と別の蕎麦店作りもあるようだが、宮古ではこ
この特徴として農家の座敷での食事の雰囲気を味わいたい。

宮古地区でそばを食べさせてくれるお店はそば伝承館前など、何箇所か
で表示されている。要予約という店が多いが、フリーで行ってもOKの
店もいくつかある。なかじまさんも、要予約とのことだったので、当日
の朝10時頃に電話を入れたが、フリーで行ってもOKのようだった。27
日で、連休にかかり始めたのでそばはあらかじめ用意をしておいたのだ
ろうと思う。しかし、なかじまさんのお店の客は我々2人だけだった。
おかげで唐橋克己さんにお話を聞きながら食べるいい昼食になった。
メニュはコースとざるそばがあり、値段は右の写真のよう。ちょっと酒
をのむならば、コースがいいかもしれない。頂いたのは宮古コースで、
刺身こんにゃくに煮物、ニシン、漬物、そばが3杯である。ビールにそ
ば酒を頂いた。そば酒は何年かかけた研究で作られたものというが、ワ
イン風の口当たりは、好き好きがあろう。私はやはり日本酒に軍配を上
げたい。
さて、そばは、宮古産の地粉を使ったもので、予想より細めでコシのあ
るそばであった。このコシはかなりの強さが有るが、これは「宮古のそ
ば粉がもつ力です。他のそば粉ではこんなそばは出来ない」と唐橋さん。
打ち方は昔からの伝統的なやり方で、宮古地区で出来たそば粉の3番粉
までを使い、最初に20%の熱湯で湯捏ねし、1分ほど蒸した後、再度、
20%ほどの水を加水して捏ねるという方法でやっているとか。宮古地区
でそばをはじめるに当たっては、翁の高橋邦弘さん、上野藪そばの鵜飼
良平さんなどに来てもらって、教えてもらいながら勉強したと言う。そ
うしたやり方も入って、現在のそばがあるのだろう。もう少し田舎そば
風かと思っていたが、江戸前風に洗練されたそばなので驚いた。
宮古独特の”水そば”をはじめて体験したが、これは、上記の湧き水
”夢見の水”につけて食べるもの。確かにそばつゆがない分、そばの香
りを強く感じる。私は1杯半を水そばで食べたが、汁で食べるそばと違
ってそば香100%。たまには悪くないが、塩分がない分だけ味が物足りな
い。普通のそばつゆでそばを食べるとほっとする。この水は毎日、夢見
の水を汲みに行くそうだ。なかなか香りと腰の強いそばである。
そばは、せいろやざるではなく、椀に入れた供される。コースには3杯
がついているが、3杯は、ちょっと多めだったような気がする。1椀で
普通のもり1枚分あるから、もりそばを3枚食べる勘定になる。「3、
4枚食べればじゅうぶんでしょう」と唐橋さんはおっしゃったが、腹は
満杯である。この後もう一軒行きたい……と考えていたが、全くダメだ
った。最後に御願いしてそば粉を1kg譲っていただいて帰ってきた。
食事の間中、唐橋さんが横に座りお話しを伺うことが出来た。にこやか
に話されるご様子から人柄が良く分かる。こうした要素も、宮古地区を
これだけ有名にするに大きな力となってきたのではないだろうか。
単にそばのよさだけではない、水そば……などの命名からも、話題作りの
うまさ、いわばマーケティングセンスが感じされる。といっても、そばの
よさを否定するわけではない。他の地方のそばによる町おこしを考える際に、
この店を参考にして欲しいと思う。
山都・宮古そば処・なかじま
福島県耶麻郡山都町宮古4107 予約制 
電話0241-38-2579



●2001年04月26日/会津若松・蕎麦工房・すゞ勘の蕎麦を食べる


●漆器屋さんが経営する蕎麦屋すゞ勘、辛み大根で食べる高遠そば

天明元年(1781)創業の漆器屋の8代目、鈴木勘右衛門が蕎麦と漆器と
いう伝統文化を融合させて開いたお店がこの店だそうである。店内に
も漆器は展示されているが、蕎麦を食べるのに使われている器が鈴木
勘右衛門作の漆器である。食べなかったが、温かい蕎麦の器も木製の
漆器である。どんな感じがするのか食べてみたかった。内装は、古民
家というよりも蔵の中と言うイメージか。
さて、ここでは高遠そばを食べた。高遠そばというのは、辛味大根の
絞り汁をベースに、出し汁を加えた汁につけて蕎麦を食べるもので、
2、3年前に高遠に出かけたときに、高遠そばという名前を聞きなが
ら、高遠には高遠そばを食べさせる店がない……ということで、今後
高遠の町おこしの一貫として高遠そばを復活させたい……というよう
な話を聞いた直後、一緒にいた相棒が会津で高遠そばと名づけられた
蕎麦を食べたと知らせてくれた。それ以来、一度、高遠蕎麦を食べたい
と思っていたのである。
ここだけでなく、会津では高遠蕎麦は、どこにでもあるメニュのよう
である。これは高遠藩主が転封になって会津に来たために、高遠の蕎
麦が、高遠ですたれ会津で残っていたと言うわけである。
蕎麦は、細め。基本的には辛い大根で食べるのだろうが、今では大根
の辛さも中途半端で、濃い目の汁を交ぜて食べないと味が薄い、とい
うよりも辛さが足りない。最近は、何もかにもがマイルドになってし
まったために、すべてが均一化しているような気がする。そばその
ものは悪くない。田舎そばではなく、そばそのものは信州そば風である。
蕎麦工房・すゞ勘
会津若松市中央1-3-15 11:00〜15:00、17:30〜23:00 火休み
電話0242-32-6777



●2001年04月26日/会津若松・桐屋夢見亭の蕎麦を食べる


●桐屋夢見亭、メニュ2つ、同店売り物の飯豊権現蕎麦

26−28日と会津・山都・村山と旅をした。東京と出発したのが午後2時
と遅いために、1日目は会津で蕎麦屋さんに寄った。1軒目は東山温泉
に行く道にある「桐屋夢見亭」。市内にある桐屋の支店である。桐屋は
いまや蕎麦のメッカとなった感がある山都宮古地区の元祖ともいうべき
「なかじま」のご長男のお店である。写真の建物は中に入っても太い梁
に高い天井……となかなか立派なものだが、雪深い奥会津只見町の樵の
頭領であった「三瓶家」の曲家を移転復元したものと言う。貫禄充分で
演出効果としては申し分ない。
メニュは写真のようだが、とりあえずお店の売り物と言うことで、1日
30食限定と言う飯豊権現蕎麦(1450円)を頂く。これは地元の粉の1番
粉だけを使った蕎麦で、言ってみれば更科そば、あるいは御膳蕎麦と呼
ばれるものである。真っ白……と期待していたら、白と言うよりもむし
ろ薄い蕎麦……という方が近いのではないかと思う。コシがあり、いい
蕎麦だが一番粉というだけあって、あまり香りがない。一緒についてき
たわさびも気が抜けたようだった。会津では一番粉は珍しいのかもしれ
ないが、更科系の蕎麦屋さんに行けば珍しいわけではない。桐屋さんに
伺ったら、むしろ、普通の地元で食べるような蕎麦を食べたほうがいい
という気がする。期待が大きかっただけに、ちょっと残念だった。
ここでは蕎麦以外に何も食べなかった。あの後、東山温泉後にもう一杯
食べようと思っているからである。酒の肴も天ぷら(850円)や季節の
煮物(500円)などがあり、そば前をゆっくりやるのも悪くない。
再度、挑戦してみたいと思っている。次回は本店に行こう。
桐屋夢見亭
会津若松市慶山1-14-52 11:00〜15:30 16:30〜20:00 火休み
電話0242-27-5568



●2001年04月21日/第2回蕎麦打ち講習会




●初心者蕎麦打ち講習会

2月24日の第1回目の蕎麦打ち講習会を行なったが、第2回目は4月21
日。友人7名がやってきて、6名が打った。内2名が2回目である。今
回もはじめての人間が見事な蕎麦を打ってくれた。そば粉は、古川製粉
所さんの「特上」そば粉である。これを二八蕎麦で打ってもらった。加
水量は約41%。慎重に作業をする人間がいて、初回ではありながら、き
れいな揃った蕎麦を作った。器用さもあるが、ていねいさがより重要だ
と改めて感じる。そばの香りが強く、これは立派な蕎麦である。この蕎
麦ならば、蕎麦の香り、食感のどれをとっても町の蕎麦屋さんよりずっ
といい。2、3人がタッパー持参で自分の打った蕎麦を持ち帰った。感
想は聞いていないが、茹ですぎなければ、少しは見直されたのではない
かと思う。



●2001年04月20日/胡桃亭の粗挽き粉で打つ


●胡桃亭のメッシュ#24という粗挽き粉

粗挽き粉で蕎麦を打つことを覚え、自分で打ち始めるとこの魅力にとり
つかれてしまったようで、どうにも普通のそば粉では食感も含めて満足で
きなくなってしまった。これまで粗挽き粉は、秋田・鹿角の切田屋さんの
ものを友人から送ってもらうか、栃木・那須の胡桃亭さんのそば粉を古川
製粉所さんから購入させていただいて使っていたが、どちらもなくなって
しまったので胡桃亭さんにメールをしたら譲っていただけるというので
さっそく頂いた。メッシュ30くらいかと思ったら、メッシュ24と言う。
最初の写真は、市販のふるいでふるった状態で、左側がふるいである。
この粗挽きではこのふるい(メッシュ?)では半分くらいしか落ちない。
こんな粗さで打てるのだろうか?と不安になりながらも、打ってみた。
最初は怖くて、ちょっと太めになってしまったが、まあまあの出来で一
安心。コシや食感はまさに粗挽き特有のもの。慣れたら、ちょっと薄く
延ばして細めに切ってみようと思う。写真がないのが残念だが、蕎麦の
出来が気になっていて、食べることに神経が言っていたために忘れてし
まったのである。まだ、食い意地がはっているなあ。



●2001年04月20日/古川製粉所の「特上」で打つ


●比較的白いそば粉と仕上がり100%蕎麦

蕎麦を打っては友人を呼んで食わせていたところ、蕎麦打ちをやりたい
との要望があり、第1回の蕎麦打ち講習会の真似事をはじめたのが2月
24日。第2回目を4月21日に行なうということで、前日に加水量をチェ
ックするために打ってみた。今回使うそば粉は、古川製粉所の古川さん
のご好意で、同社の売り物”特上”そば粉を譲っていただいたので、そ
の確認である。比較的白っぽい粉で、3番粉あたりまでを入れたものか
加水量は41%ほどか。出来上がった蕎麦は、コシもあり、香りも合って
今の時期としてはなかなかいいそば粉である。そういえば、東京のある
蕎麦屋さんで、今だに”新そば粉”のポスターを掲げているお店がある
がそろそろ外して欲しいものである。
手打ちではないのに、手打ち蕎麦……とうたっている店にはもう驚かな
くなったが、そのうちにこの、春の”新そば粉”のポスターにも驚かな
くなるのだろうか。
蕎麦は細く切れば切れるが、どうもあまり細い蕎麦は好きではない。細
さと香りがバーターのような気がして、挽きぐるみの香りがムンムンす
る田舎風の蕎麦を食べるとこの上なくシアワセな気分になるのは、現在
の細切り、コシ重視の蕎麦から言えば、時代遅れになってしまったとい
うことなのだろうか? そういわれても、やはり香りが欲しい。蕎麦香
のない蕎麦なんて、蕎麦じゃないと思うのだけれど。



●2001年04月09日/東京・両国八王子「元」のそばをたべる


●焼き味噌、厚焼き玉子、天ぷら、三色蕎麦+おかわり

仕事で両国に出かけることが何度かあったが、そのうちに雑誌Hanakoの蕎
麦特集で、両国駅前に蕎麦屋さんが出来た事を知り、一度出かけてみねば
とおもっていたところ、ちょうど仕事の帰りに、午後1:30遅めの昼食だが
空いているころあいの時間になったので寄ってみた。内装は、大きなテー
ブル席に、奥の座敷があるもので、最近はやりの和風モダンというか、何
と言えばいいのだろうか。
頂いたのは、焼き味噌、厚焼き卵、天ぷら、それに三色蕎麦。ちょうど桜
の季節で、三色蕎麦は、桜きり、ケシきり、せいろの3種類。蕎麦味噌、
ケシきりでわか一茶庵系である。ご主人は、Hanakoによると九段一茶庵で
修行をされたようだ。夜は炭火焼のお店で、一茶庵流に蕎麦だけでなく酒
の店としても充分な店作りになっている。それだけに上記の料理は酒の肴
としても悪くない。
蕎麦は、一茶庵系と種を明かしてしまえば、特に言うことはないが、桜き
りは初めての体験で、これは大変に新鮮であった。最初に何の変わり蕎麦
か分からず、相棒が”梅きり?”というので、口に入れてみると確かに梅
のような酸味がある。その昔、自由が丘にあった「松月庵」で、梅カイワ
レ蕎麦をよく食べた。蕎麦に梅というのは良く合うもので、それを思い出
すような気分で味わっていたが、どうも違う。お店に人に聞いてみると、
桜きりであるという。なるほど、塩漬けにした桜の葉を使うために、塩漬
けした桜の葉がもつ酸味が梅のように感じさせるのだろう。桜きりとは初
めての出会いであったが、酸味が心地よく、季節感も合って悪くない。今
度、機会があったら、一度挑戦したみたい。
上の三色そばは4色になっているが、これはちょうど、お変わりサービス
と言うのをやっているとのことなので、お変わり分のせいろを入れてもら
ったためである。
桜きりだけでなく、そばも肴もお勧めである。桜きりは、桜の季節にぜひ
一度試されたい。
江戸そば・炭火焼「元」東京都墨田区両国2-21-5 03-3635-6273 日休み
11:30−15:00 17:00−23:00






ご意見は、fkaji@kaji.orgまでメールをいただければ幸いです
Copyright(C) 1998,Fumihiko KAJI,Japan