Welcome to Kaji's 蕎麦打ち日記 Space





多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている
「蕎麦打ち&蕎麦食べ歩き日記」であります。



1998年4月以来、ここに登場する全蕎麦屋さんの索引は、 こちらです。
日記に掲載してあるお店が、県別にひけます。






蕎麦打ち日記2000年12月分



●2000年12月29日/居酒屋で<柚子そば>を出す


●超微分100%で打った変形柚子そば

いつも行く親しくしている居酒屋で、暮れの最終日に、最後のサービ
スで年越しそばを出してはどうかという提案をしたら、ぜひやろう……
ということになった。午後から、1Kg玉を3回、合計約3キロを打ち、そ
ばつゆを2リットル作って持参した。3kgの粉に加水して約4.35Kg。一
人前標準の130gでは33人前だが、大き目の小鉢に盛って、そこにそ
ばつゆをかけて出してしまおうということで、一人前が350円均一の店
なので、約80〜100gを盛ればいいだろうということになった。作ったの
は、粉がたくさんあるということで、微粉の100%で柚子そば(写真右)。
そばの色があまり濃くないので、そば粉の間に柚子の黄色が見える。
これが好評で、ちょっと鉢が小さめだったためか、約50人前になった。
そば粉が1kg1500円、柚子が500g宛て1個(計6個=600円)、汁が
材料費で締めて1,000円として、全部で材料費は6,100円。これで50人
前とすると、材料費で1人前120円になる。標準の130gで計算すると、
約180円。これを350円で売っては商売にはならない。こう考えてみると、
商売というのはなかなか難しいことがわかる。おいしいそばをやすく……
というのは素人の願いで終わるのかもしれない。しかし、このそばを500円
で出すことは可能なような気がする。その場合でもよほど、家賃が要ら
ない、設備がいらない、人件費が要らない……など固定費がかからない
というのが条件になりそうだ。一人で2杯食べるお客さんも結構いた。2杯
で170gこれだけあれば、大森そばのボリュームはある。まだ、物足りなそ
うだったが……。それにしても、座席数26席という居酒屋で、前触れなし
のそばにしては50杯を売り切るというのは、なかなかものと自負している。
ほっとした。この微分の柚子そばなかなかいけそうだ。



●2000年12月27日/ゆずそばを打つ


●↑微粉そば粉100%のゆずそば


●↑切田屋の粗挽きそば粉

●超微粉100%で打つ柚子そば
仕事仲間の忘年会で、そばを打つことになった。メニュは2つ。1つは、
微粉で打つ柚子そば、もう一つは粗挽きそばの生粉打ちそばである。
今日、思いついた新しいメニュが超微粉を使った柚子そばである。
つながりやすい、そばの香りが薄い……という超微粉そば粉の特徴を
生かして、何か出来ないか……と考えて思いついたのが、柚子そば。
この微粉なら、100%で柚子そばが打てそうな気がするということで、打
ってみた。案の定、なかなかいい。100%のそば粉では色が濃くなって
しまうので、柚の感じが活かせないが、これならば、上の写真のように
なかなか悪くない柚子そばが打てる。変わりそばで更科粉で打つ柚そ
ばもわるくないが、それではそばの香りがあまりない。この微粉ならば、
そばの香りもそこそこある上に,柚子の香りも生きて、これは我ながら、
さえた思い付きである。冬の間は、これでいこう。しっかりしたそばに,柚
子の香りがほのかに漂って、季節を感じさせてくれる。冬の定番。超微粉
は、株式会社おぐら製粉所 秋田県北秋田郡比円町扇田字倉下5−1
でお求めください。お試しあれ。これはお勧めである。この粉は,普通の
そばにすると、100%でもソーメンか冷麦のようなつるっとした麺になるが、
柚子そばだとそれが気にならない。
●粗挽きそばの生粉打ち
粗挽きのそば粉は、秋田県鹿角市にある切田屋さんの粗挽き粉を使った
生粉打ちそばである。これはもう、何度も打っているので問題ないが、少し
太目のほうが粗挽き粉の特徴が出ていいので少し太めに……と思ったが
ちょっと太すぎたかもしれない。まあ、これはこれで申し分のない1品である。
麺のコシと弾力はメッシュ60以上の細かい粉とはちょっと違う、粗挽きそばの
特徴だ、病み付きになる人が多いというけれど,それもわかる。



●2000年12月19日/田沢湖・「みずうみ」でそばを食べる


●山菜そば

例によって田沢湖日帰りの仕事旅に行く。ちょうど昼につくのでそばで
も……と思ったが、観光シーズンも終わった閑散とした田沢湖で期待す
る方がおかしい。……とは思っても知られざる店が……と期待したくなる
のがそば好きの病気みたいなものだ。が
食べられる店はここだけ……といわれ入ったのが駅前の食堂。ここで
期待するのが無理なのだが、とりあえず山菜そばをいただく。山菜がたく
サン乗っていて、そばが見えないのでひっくり返してそばを撮ったのが上
の写真。注釈をつける必要もない,普通のそば。そば粉3割……というヤツ
である。まあ、写真を撮ったので、入れてみただけです。すすめません。
でも、ここの漬物はおいしかった。山菜そばが650円、漬物300円で、ビ
ールをやるなら、この漬物で十分。カブがうまかった。



●2000年12月15日/ジェット粉砕機で製粉した超微粉そば粉を打つ


●超微粉そば粉のそば
 しばらく前に秋田県のある製粉所が、ジェット粉砕で超微粉のそば粉
を作る技術を開発したとのニュースがあったが、その製粉所で製粉した
そば粉は、何度か友人から送ってもらって打ったことがあった。たまた
まこのニュースを見て、詳しい情報を欲しいと友人に依頼しておいたら、
説明書とともに、5kgのそば粉が届いた。さっそく打ってみた。
この超微粒粉技術がどのようなものが、比較するのに一番いいのは、
通常の製粉技術で製粉したそば粉も一緒に打ってみることだが、残念
ながらそのそば粉は手元にない。まあ参考……という程度でご勘弁い
ただきたい。

    *        *
●マイナス冷気ジェット粉砕機
 ジェット粉砕技術とは、こういうものだ。
 マイナス40℃という低温下の冷凍状態で蕎麦をジェット噴出し、そば
同士をぶつけ合うことで粉砕する。粒の大きさは約20ミクロン。この大
きさは、製粉技術としてはもっとも微細の部類に入るという。最小でナ
ノメーターのサイズまで可能だそうだ。ジェット粉砕する際のそばの実
の状態で、抜き後の甘皮が着いたものを粉砕すれば全粒粉ができる。

 そば粉は細かいほど作りやすく、つながりやすくなり、艶も出る。しかし、
これまでの製粉技術では臼の摩擦圧力で製粉するために、熱が加えら
れてしまい、細かく挽くとそれだけ味や香りが飛んでしまうという問題が
あった。これを解決したのがこの粉砕機。低温下で粉砕がおこなわれ
るために、香りが逃げないという。さらに、これまで製粉しにくかった甘
皮やそば殻までが製粉可能だという。

 この機械は、もともと鉱物の粉砕装置として中国で開発されたものを、
同社が食品加工用機械に作り変えたものだ。
この技術を使うと、大豆を微粉砕してその粉を水で溶いて加熱するだけ
で豆腐が出来るのでオカラとして捨てる部分がなくなり、コーヒー豆や日
本茶を微粉砕すると水で溶いただけで飲めるようになるという。同社と多
方面での応用を進めてゆくそうだ。

    *         *
●蕎麦打ち
 微粒粉というのは。、手に触った感触が非常に心地いい。軟らかくて、し
っとりして、手のシワや指紋の一筋一筋にまで粉がしみ込んでいくようで、
しかもその感触が水のように重くなく、しっとりという表現がぴたりの不思
議な優しさがある。小麦粉として提供されているものには微粒粉もあるが、
そうした粉に感じた感触と同様である。細かい粉で、ウドンを捏ねるときの
あの柔らかな感触である。

 アルミの真空パックに入れられている粉から取り出して、約300gを使う。
加水量が分からないのでまず100gを入れ、少しずつ入れていったら、130g
ほど入ったろうか。およそ43%である。新そばなので少な目なのだろうか。
水回しのときのそばの香りは、蕎麦打ちの醍醐味だが、この粉でも同様に
香りが強く感じられる。粉がすぐに隣同士でくっつこうとして勝手にまとまり
だす。このまま進めても良いのかもしれないが、最初なのでまとまるのを抑
えて、慎重に均等に水が回るように粉を混ぜる。そうでなくても香りが飛び
やすいので手早く作業をすすめる。まとめそのものは簡単だが、しかし逆に
まとまろうとするそばをほぐしながらまとめるというのは初めての体験だ。

 まとめて玉にしても、しっとり感はある。不思議な粉である。のしも楽である。
粉の粘度が高いためだろう、のしがスムーズで、これならば初心者でも簡
単に打てそうである。近いうちにテストしてみたいが、このそば粉ならば、
初心者でもしっかりつながった100%の蕎麦ができるのではないかと思う。

 さて、出来上がったそばを茹でた。茹で時間は普通のそば並みである。
粘度が高いだけに少し長い目のほうがいいのかと思ったが、そうでもない
ようだ。茹であがったそばの出来栄えは、上の写真のように、肌のきめの
細かさは小麦粉のそうめんのような照りがある。残念ながら、香りは少し
弱いようだ。メッシュ60くらいの状態を知らないので比較は出来ないが、
残念ながら香りは少し弱い。100%そばに特有の、「そば」という香りがな
いのだ。あるいは、粉粒が微粒子なだけに、茹でる間に溶け出てしまうと
いうこともあるのだろうか? コシはそこそこ感じられるが、どうしても生粉
打ちそばを食べているという充足感がない。

 生粉打ちそばを簡単に誰でもが楽しめる……という点ではこのそば粉は
便利だが、味や香りという点では、そばにうるさいグルメを満足させるのは
なかなか難しそうだ。しかし、照りなどきめの細かさがあり、見た目の美しさ
はある。香りを欲しくて、カケ蕎麦も作ってみたが、やはり香りはあまり感じ
られない。どこかで飛んでしまうのだろう。何か工夫の余地があるのかもし
れないが……

    *      *
低温で製粉するので、そばの香りを逃がさない……というのがこのジェット
粉粒式の製粉機の売りのはずだが、これではあまり使うメリットはない。そ
ば粉よりも、大豆やコーヒーの方がいいのかもしれない。イヤ、コーヒーの
方がむしろ香りは重要かもしれない。となると、どこに使ったらいいのだろ
うか?
 (株式会社おぐら製粉所 秋田県北秋田郡比円町扇田字倉下5−1)



●2000年12月08日/秋田市・藪善<やぶよし>の茶蕎麦を食べる


●三味そば、なめこそば

仕事で秋田に出かける。朝の新幹線ででるとちょうど昼飯時に秋田
に着く。昔ならば東京から秋田に出かけるのは半日仕事だったが、
新幹線が出来たおかげで朝9時に発てば秋田で午後1時から仕事
ができる。行く側、秋田の両方にとっては便利になった……と喜ぶ
べきことでなのであろうが、逆に近くなったおかげで宿泊がなくなって
町が寂れルという結果になり、行く側にとっては旅の楽しみが消える
とということになる。便利さのおかげで、昔と比較して出張の楽しみが
激減したのは私だけではあるまい。今月だけを考えても、北海道・木
古内秋田、広島県福山、秋田県田沢湖……の仕事が日帰りで済ませ
るという状態である。
さて、秋田に着いたところで、先方で待っていてくれた人が、昼食に案
内してくれたのが茶蕎麦専門店の「藪善(やぶよし)」である。そういえば、
秋田には茶蕎麦の専門店があると聞いた覚えがあることを思い出した。
通常の蕎麦屋のようなメニュがあるが、すべてが茶蕎麦である。それま
ではなんとなく、茶蕎麦で天ぷらとかきつねはどうかな……と思っていた
が、店に入って考えてみると、確かに蕎麦と日本茶の合性は悪くない。
ありうるメニュなのである。
さて、頼んだのは三味そばである。わんこ風になっていて、山菜、とろろ
なめこおろしの3椀である。蕎麦の色はもっと濃いかと思ったが薄い若葉
の新茶のような色で、蕎麦の香りも薄めである。この色だと、蕎麦粉更科
粉、あるいは1番粉あたりを使ったものだろう。出なければ、もっと蕎麦の
香りが強く感じられるはずだ。3味がそれぞれ小さな椀に盛られて、ここ
に、蕎麦徳利に入れられた辛汁をかけるが、汁の色も非常に薄い。そば
はご主人が打たれているそうで、コシのあるなかなかの蕎麦である。この
香りならば、温かい蕎麦も問題はない。うっすらとお茶の香りが漂う程度
で、辛汁の色が薄いのは、淡いお茶の色を綺麗に見せるためだろう。汁は
「色は薄いけれど味は濃い」とはお店の方の弁。
なぜ、秋田で茶蕎麦……か、と思ったら、能代がお茶の北限であることを、
昔学校で習ったようなことを思い出した。うーん、蕎麦は多彩で、奥が深い。
茶そば専門店「藪善」(やぶよし)
秋田市手形字山崎 TEL(0188)35-5848







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