Welcome to Kaji's 蕎麦打ち日記 Space






蕎麦打ち日記2000年2月分


あけましておめでとうございます。

多くの心優しき奇特な方々の犠牲のもとに成りたっている、
蕎麦打ち日記であります。



忙しさにかまけて、手抜き工事ですが、ご了承くださいな。
新しい蕎麦屋さん情報もあります。旧月・昨年の分もお目通しくださいませ。

ここに登場する蕎麦屋さんの索引を作ってみました。urlは、
http://www.kaji.org/soba/diary/sobalist.html
です。日記に掲載してあるお店80数店を全部入れました。県別、地域別にひけます。
それ以前に訪ねたお店が紹介されていませんから、韮崎の「瓢亭」や
都内の気に入ったお店などが入っていません。機会を見て再度訪ねるようにしましょう。


●2000年2月19日/木鉢に合成漆塗料を塗る


●白木の木鉢に合成漆塗料を塗る

1年ほど前に小諸の友人にプレゼントされた60cmの白
木の捏ね鉢を便利に使っていたが、加水して粉を捏ね
るたびにどうしても粉が鉢に粘着する。そのたびに指
でこなをはがすようにするのだが、へばりついた粉を
はがすのがなかなか面倒で困っていた。そんなときに
おりよく、京極民人さんといいう方から、捏ね鉢に漆
を塗るのは難しくない、丁寧にやればできます……と
メールをいただき、いつかやってみたいと想っていた
のだが機会がなく、やっと最近になって時間もできた
ことでもあり意を決して挑戦した次第。といっても正
式な漆ではなく合成塗料の漆。はやりのカシュー塗料
の類いである。砥粉を塗って、サンドペーパーをかけて
薄目液を40%加えた薄い漆を塗り、20%加えたちょっと
濃い目を塗り、10%加えた漆をその後3度ほど塗って、
出来上がったのが上の写真。注意書きには小さな気泡が
入りやすいから気泡が入らないように丁寧に塗る事……
と書かれていたが、購入してきた安いハケでは、どうし
ても無数の微細な気泡が沢山付着してしまう。懸命に
つぶしながらの作業だったが、素人の悲しさ。丁寧に
という根気が続かず、仕上がった状態では小さな気泡が
いくつかできてしまったが、実用上は問題無し……と観
念して、一応完成……とした。
約1週間乾燥させているが、まだ少し匂いがあるような
気がするので、もう1週間ほど待って使ってみようと思
う。楽しみである。しばらく経ったら、下側を黒い漆で
塗ろうと思っている。


●2000年2月19日/竹邑庵太郎敦盛の皿蕎麦・あつもりを食べる


●竹邑庵太郎敦盛の皿蕎麦・あつもりと蕎麦汁

昨年の12月10日に始めて出かけた新橋にある京都の蕎
麦屋、竹邑庵太郎敦盛に行き、前回食べ損なった皿そ
ばこの店で追っかけ蕎麦と呼ぶものを食べた。皿蕎麦
は兵庫県の出石が有名だが、そんな感じの蕎麦である。
粉は挽きぐるみで、蕎麦の色は写真のように真っ黒。
これを木の御椀にネギをたっぷりいれ、その上にすり
おろした山芋と卵を入れて、上から蕎麦汁をかけて食
べる。あつもりは、蒸してあるためにコシは余り感じ
られないが、皿そばの方はコシが感じられる。蕎麦特
有の固さもあり、悪くない。表の看板には「黒そば」と
書かれているが、どうして色が黒いのか、どこの蕎麦粉
を使用しているのかなど詳細は不明である。
あつもりは、生蕎麦をセイロに盛り、積み上げて下か
ら蒸したもので、熱い状態でいただく。汁は、皿そば
と同様にネギや卵が入ったお椀に、こちらは熱い汁を
注いで、これに蕎麦をつけてたべる。冷たいせいろ蕎
麦はあまり弾力がないが、蒸したあつもりそばは弾力
があって絡んでいる蕎麦を引っ張るとかなり伸びる。
これを見ていると蕎麦がいかに弾力を持っているか、
冷やす事で弾力をなくしているか……を知ることがで
きる。皿蕎麦は小さな皿が5枚、あつもりは一斤が950
円である。皿蕎麦は追加1枚100円である。
お店の詳細情報は99年12月分(991210.html)をご覧下
さい。


●2000年2月12日/長野産・蕎麦粉で蕎麦を打つ


●長野産の蕎麦粉で二八そばを打つ

長野出身の友人がたまたま帰京する用事があったので
帰京したがついでに地元で買ってきたので土産に……
と長野産の蕎麦粉を持ってきてくれた。買った時に、
聴いたところ長野産と言う事だけで、それ以上詳しく
は分からないという。とりあえず打ってみる事にした。
粉を篩にかけて見たところ、上の写真のように殻の破
片が沢山混じっている。これを見たところ挽ぐるみの
全留粉のようである。粉の素性が良く分からないので、
とりあえずは二八蕎麦で打ってみることにして、秩父
産の小麦粉を20%程混ぜてみる。打った結果が上の写真
である。できあがった蕎麦は、蕎麦の香りもそこそこ
あって、年度もまあまあある。これは間違いなく国内産
のものではないかと思われる。
長野というと、諏訪湖のミズが蒸発して水分となって
地表に舞い下り、空気が冷却されるとともに霧となっ
地表を覆う。そんな霧の下で栽培される霧下蕎麦が有
名だが、そこまではいかないにしてもそこそこの蕎麦粉
であることはよくわかる。蕎麦粉としては上出来である。


●2000年2月10日/横須賀・若松町「まつや」のおかめを味あう

神田の老舗「まつや」で修行したというご主人が始め
たお店が横須賀「まつや」。場所は京急の横須賀中央
駅を下車して直進し、米が浜の共済病院の方に右折し
て100mほそ進んだ左側。新しいお店で、30人ほどが入
れる。
メニュもまつやと同様で、そばはまつやそのもの。名
物の厚焼き卵や酒で打った独特の太い打ちなどを作っ
ていただけるかどうかは、不明だが、蕎麦を食べてい
る限りは神田の本店とまるで同じだ。久しぶりでおか
め蕎麦を食べてみた。おかめそばは、いわば五目蕎麦
で、蒲鉾や椎茸、タケノコ、人参……などが入った暖
かい蕎麦だが、単に五目といわずにおかめというとこ
ろがやはり日本流、上記の材料を使って福ならべのお
かめもどきに並べたものである。上の写真を拡大して
よく見ていただくとそれなりにお分かりいただけると
思う。顔を上からみたところか。卵がまゆげで、なる
とと椎茸が左右の目、タケノコが鼻、蒲鉾がほっぺた
麩が口……という具合である。最近の蕎麦屋さんはこ
うした事を忘れて、中華の五目蕎麦のように出してく
るケースも少なくないがこうした楽しみが是非残して
欲しいものである。


●2000年2月8日/秩父産の蕎麦粉で二八蕎麦を打つ


●秩父産蕎麦粉でつくった二八のセイロとカケそば

10月に秩父に出かけた折に買ってきた地元産の蕎麦粉
を試す機会がなかったが、挽いてから3ヵ月も経つの
で、ソロソロ限界と思い二八そばで打ってみた。量は
400gだが、ビニールの袋に入れられて、生産者を明記
するラベルが貼付されていて、そこには生産者名とし
て江田○○という名前が書かれていた。400gというの
は量としてはなんとも中途半端な量だが、二八で打つ
となると20%のつなぎを入れる。あと100gを入れると
合計500gで二八蕎麦になるという便利な量だというこ
とに気がついた。意図したわけではないだろうが、う
まくできているのに感心した。
粉そのものはなかなかいい粉で加水時にも香りがあり、
延し、切り……と問題はない。でできた蕎麦が、上の
写真である。完成時で、荘料約700gほど、まあ4人前
というところだろうか。約200gをセイロとカケそばで
食べた。
できあがった蕎麦は、さすがに挽いてからちょっと時
間が経ちすぎていると言う事もあって、香りは少しな
くなっていたが、コシといい香りといい蕎麦と呼ぶ資
格は十分で、さすがに国内産の蕎麦粉だけの事はある
と感心した。近年は、秩父の蕎麦粉も少なくなって……
というよりも、需要が多くなって、地元の蕎麦屋さん
でも十分に使う事もできず、栽培農家もとても需要は
賄いきれないという。


●2000年2月3日/船橋・「圓居」さんの蕎麦粉で打つ


●船橋にある圓居さんでいただいた粉で打った生粉蕎麦

1月31日に圓居さんに伺った折りにいただいた蕎麦粉
がこれまで打つ時間がなかったのだが、今日、時間が
できたので、打ってみた。実は、今日新しい蕎麦包丁
を購入したので、その試し切りということでもある。
包丁は30cm、1050gの素人には贅沢な品を買ってしまった
こなは非常に素晴らしい、捏ねるとしっとりと手に馴
染んで非常に打ちやすい粉である。加水料は少し多めか。
できあがった蕎麦は蕎麦香も豊かで、コシも有り、申
し分ない。金砂郷の一級品を30%に、栃木、福島、北
海道などをブレンドしているそうだが、香りといい、
甘さといい贅沢な蕎麦ができた。残念ながら、包丁の
ためし切りということで、太目になってしまった。と
いうのは、包丁の刃が立っていて、切れ味鋭く、少し
内側に食い込むような気がする。それと、少し包丁の
倒し量をを大きくしたかも。当然だが、プロの真似を
しようと思っても無理である。もったいないので端の
部分も一緒に茹でた。
今日、包丁と一緒にキッチン秤も買ってきたので、こ
れからはきちんと重さも量る事にしよう。何やら、プ
ロ風になってきたが、あくまでも素人。プロに皆さん
のように打てるなど思ってはいけません。


●2000年2月2日/浜田山・「安藤」の鴨南蛮そばを味あう


●安藤のお店とセイロ、そして、角煮風の鴨が入った鴨南蛮そば

鴨南蛮そば、というと必ず話題になるのが浜田山にあ
る「安藤」である。冬になるとやはり鴨南蛮が恋しく
なるもので、一度おいしい鴨南蛮蕎麦を食べるとまた
食べたくなる。それほど良くできた鴨南蛮そばは惹き
つける魅力を持った商品ということであろう。という
ことで、一度、噂の浜田山の安藤で鴨南蛮そばを味わ
って見たいと思っていたが、たまたま近くに出かける
機会があって、とうとう実現した。
コンクリート打ち放しのビルの1階にあり、店内も打
ち放したコンクリートだが、古い家具やちょうどを集
めたインテリアと不思議にマッチしている。あいにく
12:45くらいだったので、店内は満席。少し待って相席
で座ったが、それでも落ち着いた気分になれるのは、
インテリアのせいだろう。
小ビンのビールを1本飲み樽酒をいただく。酒は樽酒
一種類のみ。ビールは小ビンがあるのが嬉しい。肴は板
わさに天ちら、お新香。天ちらは小さ目の車海老が2
匹、揚げた頭と一緒に来る。1300円という値段は高い
かなという気もするが、食べてみると、身締まりした
蝦の歯ごたえが何ともいえない食感で、この質ならば
仕方がないかなという気がしてくる。上げた頭も噛ん
でみると香ばしくてなかなかである。白菜の漬物は、
ご主人の母(おかみさん)が漬けているとかで、重し
が効いていて歯ごたえも漬き具合もちょうど頃合い。
しっかり漬いていて、くせのないさわやかな酒(東北
泉とか)にぴったりである。

●樽酒と天ちら

そばは、もり(600円)と鴨南蛮そば(1,100円)をいただく。
そばは、茨城と栃木産の蕎麦粉を使用しているとのこと
だが、店内の説明では常陸そばを使用していると書かれ
ている。近頃人気に出てきた、茨城県が育成した蕎麦で、
金砂郷あたりの蕎麦粉に、栃木産の蕎麦粉を自家製粉で
ブレンドして使用しているものと見える。もり蕎麦は甘
みが良く感じられるが、これは常陸そば粉の特徴であろ
う。汁も甘みが強く、甘い蕎麦に甘い汁というのは、小
生にはちょっとかな。さらに薬味に使われているネギが
万能ネギで、これも辛いネギに慣れた人には物足りない
かもしれない。しかし、蕎麦、汁、ネギ……と揃った甘
みに統一感があって、これはこれで、なるほどと納得さ
せるものがある。甘い蕎麦だけに辛めの汁も悪くないの
では……と考えがちだが、この甘みの統一はそれはそれ
で、見識というか、味のハーモニーといえるだろう。そ
ばそのものは二八蕎麦(外2)とのことで、麺に弾力も
香りもあり、さすがという蕎麦である。最近、かつて人
気のあった、コシの強さを主張した、角が立つようなし
ゃきっとした蕎麦が食べたい……という思いもあって、
その意味ではちょっと物足りないかな……という気もす
るが、これは明らかに無い物ねだり、無い物探し……で
ある。蕎麦としては申し分ないと言うべきだろう。
さて、鴨南蛮そばである。いわゆる鴨南蛮そばを想像し
て行った身にとっては、目からウロコの大逆転であった。
まず、鴨肉がいわゆる角煮になっていて、もも肉を角煮
にした柔らかいブロックがそのまま、暖かいそばの中に
三つ葉やネギなどのつけ合わせとともに入れられている
……というものなのである。角煮であるだけに、煮汁は
十分な甘みを持っていてその煮汁が染み出してそば汁と
溶け合って、えもいわれぬ柔らかな味を醸し出している。
鴨南蛮そばは、少し焼いた鴨肉の脂が汁と溶け合って独
特の味のまろやかさを出すが、脂抜きしたここの鴨は、
脂が抜けているので汁と脂が溶けあって生まれるまろや
かさは余りられない。
一般の鴨南蛮そばを想像していた小生は、鴨肉を口に入
れた瞬間、ん?これは鴨南蛮?……と迷ったが、とろけ
るような柔らかな鴨肉のおいしさと味わううちに、なる
ほど、という思いがしてくる。これは工夫である。この
甘さを味わってみて、始めて、もり蕎麦用の辛汁が甘か
ったことに合点がいった。これはご主人の好みの味であ
るに違いない。鴨……といえばネギに触れないわけには
いかないだろう。もりの万能ネギで度肝を抜かれたが、
さすがに鴨南蛮そばは長ねぎが使われている(薬味は万
能ねぎであるが)。ネギの生さ加減、火の通り加減が頃
合いも良く、ネギのうまさは特筆ものであった。
もりそばが600円、この鴨南蛮そばが1,100円というのは
ご主人の心意気か。嬉しい値段である。個性豊かな、き
ちんと自己主張をする蕎麦屋さんである。1食の価値あり。
安藤:杉並区浜田山3-34-25 tel03-3306-0295
11:30-20:30 火曜日休み







ご意見は、fkaji@kaji.orgまでメールをいただければ幸いです
Copyright(C) 1998,Fumihiko KAJI,Japan